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実践!社長の財務

退職金準備の各種制度【実践!社長の財務】第453号

退職金準備の各種制度【実践!社長の財務】第453号

2012.07.09

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

先週号で、中退金(中小企業退職金共済)で、退職金を積み立てた場合、懲戒解雇をした場合でも、社員に退職金が払われてしまう、

と書きましたが、退職金を減額することは、できるようです。
 
その場合には、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。

ただし、その減額分は、共済制度における長期加入者の退職金支払財源に振り向けられ、事業主には返還しないとのこと。

結局は、会社が負担することにはなります。

それでは、ちょっと・・・と思いますがね...。

ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

退職金準備の各種制度

社員の退職金をいかに準備していくか、ということについて、先週は中退金を取り上げました。

中小企業の退職金準備、ということでは、以前は、適格退職年金制度、というものがありました。

税制適格、ということで、掛金を損金計上しながら退職金を準備していく制度です。

ただし、これは10年以上前に廃止が決定され、他の制度への移行期間も、今年の3月末で終了しました。

では、あとはどのような制度があるのでしょうか?

まずは、厚生年金基金ですね。
厚生年金に上乗せして、社員に給付することができます。

大企業は単独で基金を作ったりしますが、中小企業の場合には、同業者などで集まって基金を作ったりします。

ただし、これについては、今年AIJ投資顧問の大きな問題が発生してしまいましたね。

厚生年金基金が、その運用について苦しんでいる実態が大きく取り上げられたことで、今後、積極的に取り組んでいくには ?マークがついてしまいました。

その他に、確定給付年金制度というものもあります。

この制度の規約型というものは、上記の適格退職年金制度が廃止になる受け皿として用意されたものですが、

中小企業には、ちょっと負担が大きすぎるのではと思います。

というのも、確定給付ですから、将来払う企業年金の額が確定しており、積立不足になった場合には、必ず穴埋めをしなければなりません。

その資金負担に今も将来も耐えられるか、ということが、一番大きな問題ですね。

そこで、確定拠出年金というものが、あります。

よく日本版401Kなどと言われるものですね。

これは上記の確定給付と違って、確定拠出ですから当初に拠出した掛金で確定し、積立不足などの追加払いがありません。

ですから、中小企業などでも、入りやすいのですね。

将来の年金は、用意されたプランの中から、社員が自分で選んで、その運用によって決まってきます。

また、その掛金も限度額がありますが、損金に算入することができます。

その他は、生命保険の活用などですね。

これについては、いろいろな商品があるので、希望に合わせて検討してみるといいと思います。

全額損金というわけにはいかないかも知れませんが、資金が厳しくなれば、契約者借入なども使うことができるでしょうし、検討の余地はあると思います。

いずれにせよ、将来の退職金をどうするのか、

社員にとって、会社にとって、どのような方法が一番自社にマッチするのだろうか、ということは、常に考えておくテーマなのかな、と思います。

編集後記

先週は、夜はいろいろな会や勉強会に出ましたね。
よく毎日これだけあるな、と思うくらい...(笑)。

中でも、ある会社のパーティーでは、となりの席に座った同業者の方とは、話すうちにいろいろな共通の知り合いがいて、最後には義理の兄をよく知っているなどでビックリしました。

しかし、もっと驚いたのは、帰りがけ地元の本屋へ寄って本を物色していたら、何と隣にその人がいて、本を探していたこと...顔合わせてお互い声をあげてしまいましたね...こんなこともあるんですね。余程、縁があるかたなのかも知れません。

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