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実践!事業承継・自社株対策

先代経営者が亡くなった場合の手続き【実践!事業承継・自社株対策】第194号

先代経営者が亡くなった場合の手続き【実践!事業承継・自社株対策】第194号

2024.04.11

Q 私は2年前に、特例事業承継税制を使って父より自社株の贈与を受けました。
先日父が亡くなり、これから相続の手続きを進めていくのですが、事業承継税制については何か手続きをする必要がありますか?

A 事業承継税制により贈与税の納税猶予を受けている場合において、贈与者が亡くなったときには、その贈与税は免除されます。

ただし、その贈与を受けた株式は、相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となってきます。

この場合の株式の評価額は、贈与時の評価額となりますので、評価が上がっている場合であっても、贈与時の価額を使うことができます。

また、一定の要件を満たしている場合は、相続税の納税猶予に切り替えることができます。

一定の要件とは、次の要件となります。

・風俗営業会社に該当しないこと
・資産管理会社に該当しないこと
・総収入金額0円の会社に該当しないこと
・従業員数が1人以上いること(一定の場合は5人以上いること)
・上場会社等に該当しないこと(ただし、事業継続期間(5年)経過後は本要件なし)
・後継者の同族で過半数の株式を有していること
・後継者が同族内で筆頭株主であること
・後継者以外の者が黄金株を保有していないこと

この切り替えの場合には、中小企業者であることは求められていません。

相続税の納税猶予に切り替えるには、先代経営者の死亡の日の翌日から8か月以内に、都道府県知事に切替確認の申請をする必要があります。

また、相続税の申告期限までに、相続税の納税猶予制度の特例の適用を受ける旨を記載した相続税の申告書等を税務署へ提出する必要があります。

なお、贈与税の申告期限から5年間は、事業継続期間となっておりますが、切替確認を受けた場合の事業継続期間は、贈与のときの事業継続期間を引き継いで残りの期間となります。

以上、納税猶予の継続をしていく場合には、期限内に切替確認の申請をすることを、確実に行う必要があります。

《担当:税理士 北岡 修一 》

編集後記

事業承継税制により贈与税の納税猶予を受けている場合に、相続が起こるということが、弊社関連においても最近出てきています。

特例事業承継税制は、令和9年12月31日までの相続贈与が対象になりますが、贈与税で事業承継税制の適用を受けている場合は、上記期限後に相続が起きた場合にも、特例事業承継税制の適用を受けることができます。

その意味でも、特例の事業承継税制を使いたい場合には、まずは贈与で、事業承継税制の適用を受けておくことが肝心ですね。

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