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相続が発生した場合の自社株式は誰が受け継ぐ?【実践!事業承継・自社株対策】第195号

相続が発生した場合の自社株式は誰が受け継ぐ?【実践!事業承継・自社株対策】第195号

2024.04.18

Q 私は、父が設立した会社の役員として、父と20年以上一緒に働いております。私には弟がおりますが、父と仲が悪く、私も疎遠になっています。

さて、父は私に『X(私)に全財産を残す、弟にも先日電話で言っておいた。だから、弟には財産を一切渡さなくてよい。』といっています。

現在の会社の株式は全て父が所有しております。父の言葉を信じ、特に何もしなくてよろしいでしょうか。

A 兄弟間の仲が険悪な場合はもとより、良好な場合にも、お父様が遺言書を作成することが望ましいと考えます。

相続があった場合に遺言書がないときは、相続人同士で遺産分割協議をすることになります。

しかし、分割内容で揉め協議が進まない場合は、法定相続分で按分されることが想定されます。

この場合、会社の株式の権利が弟様にも渡るため、会社の経営に支障をきたす恐れがあります。

今回の場合、子のみ(ご相談者様と弟様)が相続人であれば、均等で分けることになるので、弟様に50%の株式が渡ることになります。

このため、特に会社の株式については、ご相談者様に相続させる旨の遺言書の作成が、望ましいものと考えます。

ただ、もう一つ注意点があります。遺留分です。遺留分とは、法定相続人に保証されている最低限の遺産取得の権利のことです。

お父様の財産が会社の株式しかなく、弟様がもらえる財産がないときは、弟様は、遺留分侵害額請求を行い、ご相談者様に金銭を要求する可能性があります。

特に、その株式の価格が高額である場合は、注意が必要です。

このため、死亡退職金や生命保険での資金作りなど含め、あらかじめ計画的に株式の承継をお考えになることが好ましいでしょう。

《担当:税理士 青木 智美 》

編集後記

暖かい気候になってまいりました。非常に春らしさを感じ、花粉症さえなければ、私にとっては一番よい季節です。

完全なコロナ明けだからか、4月という移動の多い時期だからなのか、どこも混んでいる気がいたします。

人が多い分、経済が回っていると思えば素敵なことなのかもしれませんね。

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