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賃貸用不動産購入による株価引下げ【実践!事業承継・自社株対策】第198号

賃貸用不動産購入による株価引下げ【実践!事業承継・自社株対策】第198号

2024.05.09

Q 賃貸用の不動産を購入して、株価を引き下げた上で、株式を後継者である息子に贈与していこうと考えていますが、何か注意点はありますでしょうか?

A ご質問のとおり、賃貸用不動産を購入することで、購入価格より相続税評価額が低くなることにより、株価を引き下げることが可能になってきます。

不動産の相続税評価額は、路線価や固定資産税評価額をベースとするため、時価よりも低い評価額となります。

さらに、不動産を賃貸することにより、土地は貸家建付地評価で約20%評価減に、建物は貸家評価で30%評価減とすることができます。

ただし、これらの評価ができるのは購入後3年を経過してからとなります。それまでは時価(帳簿価額)で評価することになります。

したがって、株式を贈与するのは賃貸用不動産を購入後、3年経過後にしなければ、株価引下げの効果はありません。

また、賃貸収入により年々利益が積み重なっていき、購入時の借入金なども減っていきますので、長期的には株価は上がっていくことになります。

したがって、株式を贈与するのは3年経過後早い時期に行うことが肝要です。相続時精算課税を使って、一気に贈与を行ってしまうのも一法ではないでしょうか。

なお、賃貸不動産購入により株価が下がるのは、純資産価額です。

ご質問者の会社規模はわかりませんが、社員数70名以上の大会社などは、類似業種比準価額のみで評価することができるので、この方法による株価引下げの効果はありません。

また、類似業種比準価額が90%使える中会社の大も効果は薄いかと思われます。これらの点にもご留意ください。

《担当:税理士 北岡 修一 》

編集後記

類似業種比準価額の計算においても、純資産価額は使うのですが、こちらは税務上の帳簿価額を使うため、賃貸用不動産の相続税評価は行いません。したがって、賃貸用不動産を購入しても類似業種比準価額には影響しない、ということになりますね。

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