実践!相続税対策
相続人がいない場合はどうなるのか【実践!相続税対策】第650号
2024.06.26
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
人が亡くなった場合、その法定相続人になるのは第一順位から第三順位まであります。
第一順位は、子(亡くなっている場合は下の代へ)
第二順位は、親(亡くなっている場合は上の代へ)
第三順位は、兄弟姉妹(亡くなっている場合は次の代まで)
上記順位にかかわらず、亡くなった方の配偶者は常に法定相続人になります。
ただ、稀に上記すべての該当者がいない場合があります。
このような場合には、是非、遺言を書いておき、お世話になった方や、卒業した学校、財産を有益に使って欲しい団体などに遺贈するのが良いかと思います。
この場合には、遺言が確実に執行されるよう、遺言執行者を併せて指定しておくと良いでしょう。
では、遺言がなかった場合にはどうなるのでしょうか?
相続人がいない場合のその遺産は、「相続財産法人」という扱いになります。
これを管理するために、利害関係者等が「相続財産清算人」の選任を、家庭裁判所に申し立てることになります。
家庭裁判所は、この相続財産清算人を選任した場合には、その旨および相続人がいる場合には申し出るよう公告をします。
これは6か月間公告をすることになっており、その間に申出がなければ、相続人の不存在が確定することになります。
同時に、家庭裁判所は債権者や受遺者がいる場合は申し出るよう公告も行います。
これらの手続きを経た上で、特別縁故者がいる場合には、家庭裁判所はその特別縁故者に財産を分与するかどうか、いくら分与するかを決定します。
この特別縁故者も自ら申し出る必要があります。
これらの手続きを経て、相続財産清算人は財産を換価し、残った財産を国庫に納めることになります。
相続を放棄して、相続人がいなくなった場合なども、このケースに該当してくることになります。
なかなかないことかも知れませんが、それに近い状況になりそうな場合には、是非、遺言書を書くようにしておいた方が良いでしょう。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
私はある学校法人の監事を仰せつかっていますが、最近学校法人に遺贈したいという方が、とても増えてきているように感じますね。様々な慈善団体などもありますが、やはり自分の母校というのは特別な愛着がある方が多いのではないかと思います。学校としても本当にありがたいことですね。
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