不動産 税金相談室
老人ホームに入居後に孫が移り住む場合【不動産・税金相談室】
2024.07.02
Q 母と長男である私の家族とは、母所有の実家に同居しておりましたが、今年の4月より、母は老人ホームに入居し、実家には住まなくなりました。
そこで空いた部屋もあるため、数年前から就職して一人暮らしをしている長女(母から見ると孫娘)が戻ってきて、同居をしようと計画をしております。
母の相続の際には、老人ホームに入っていたとしても、以前から同居をしている私が実家の土地建物を相続すれば、居住用の小規模宅地特例は使えるということを聞いておりますが、この点は問題ないでしょうか?
A 居住用の小規模宅地特例は、土地の評価を330m2まで80%評価減できますので、これが適用できるかどうかは、相続税に大きく影響します。
この小規模宅地特例は、被相続人の居住用宅地を一定の者が相続した場合に、適用を受けることができます。
被相続人が老人ホームに入居していた場合でも、次の要件を満たしていれば、被相続人の居住用宅地と認められます。
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1.被相続人が、亡くなる直前において要介護認定等を受けていたこと
2.被相続人が、一定の老人ホーム等に入居していたこと
3.被相続人が住んでいた建物を、老人ホーム入居後に、事業の用または被相続人、被相続人の生計一親族等以外の者の居住の用に供さないこと
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今回、独立されていたご長女様が戻ってきて同居されるとのこと。
ご長女様は、数年前に就職して一人暮らしを始めたとのことで、ご質問者様や老人ホームに入ったお母様とは、別生計ということになります。
そうなると、上記3番の「被相続人の生計一親族等以外の者の居住の用に供さないこと」という要件に抵触してしまいます。
したがって、居住用の小規模宅地特例の適用を受けられなくなってしまう可能性があります。
あくまでも被相続人の居住用家屋であり続ける必要がありますので、この点は、十分にご注意いただければと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
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