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いつ時点の類似業種比準価額の株価を利用するか【実践!事業承継・自社株対策】第211号

いつ時点の類似業種比準価額の株価を利用するか【実践!事業承継・自社株対策】第211号

2024.08.08

Q 私は、令和5年9月に会社の決算を終えた後、令和6年3月に息子へ会社の株式を一部贈与をしました。

3月時点では、令和6年の類似業種比準価額や路線価が未発表であるため、令和5年の発表の数字で株価を計算し、来年申告する予定です。

問題ないでしょうか。

A 令和6年の類似業種比準価額や路線価が発表されていない場合でも、令和6年に株式を贈与または、譲渡したときは、令和6年の数字を利用して評価する必要があります。

類似業種比準価額はその年の6月中旬、路線価はその年の7月1日に発表されます。

このため、6月以前に株式の贈与があった場合には、正確な株価の相続税評価額を算定することができません。

とはいえ、納税額や購入資金確保のため、ある程度の株価がわからないと贈与や譲渡することは難しいでしょう。

ご相談者様のように、令和5年の数字を利用して計算することは一般的と考えます。

ただ、その計算は概算に過ぎない状況ですので、令和6年の発表を受けたのち、再計算をし、正しい株価の算定をする必要があります。

贈与については、再計算した価額が相続税評価額となりますが、譲渡については、ある程度余裕を持った額で譲渡しておけば、再計算後の影響も包含できると考えます。

なお、令和6年の類似業種比準価額の株価が上がることが予想されるのであれば、前年中に贈与を終わらせておくことも、今後はご検討いただければと思います。

類似業種比準価額は、類似業種の上場会社の株価を基礎にして、その配当、利益、純資産と、貴社の配当、利益、純資産の比較等で計算していきます。

そのため、上場会社の株価が上がったこと=自社の株価が上がるわけでは必ずしもない、ことにご留意ください。

つまり、上場会社の配当・利益・純資産が大きく伸びている一方、自社の配当・利益・純資産の状況が相対的に悪い場合は、上場会社の株価が上がっても自社の株価は上がらないことになります。

なかなか、贈与や譲渡のタイミングは繊細で難しい問題ですね。

《担当:税理士 青木 智美》

編集後記

今後世の中がどうなっていくのか、そんな不安が株価にも色濃く出ているような今日この頃です。

一向に安定しない株価と為替ですが、一市民としては、対抗するすべなどなく、ただただニュースを見守るしかない状況です。

非常に歯がゆい状況ですが、こんな世界で生きぬいている経営陣の方々には本当に頭がさがります。

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