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路線価等に誤りがあった場合【不動産・税金相談室】

路線価等に誤りがあった場合【不動産・税金相談室】

2024.09.03

Q 国税庁が公表している路線価に誤りがあったと聞きましたが、万が一、現在進行中の申告書や、過去の申告書に影響があった場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。

A 毎年、国税庁から公表されている財産評価基準書(路線価などのデータが記載されている文書)ですが、その内容に誤りがあることもあります。

この財産評価基準書には、土地評価の基準となる路線価や評価倍率のほか、特定の土地または権利の評価方法(鉱泉地、耕作権など)、評価額から控除できる宅地造成費なども含まれています。

いずれも土地等の評価において重要なデータですが、令和6年分の財産評価基準書では宅地造成費の記載に誤りがあったそうです。

評価額から控除できる宅地造成費の平米あたり単価を、過少に記載していたとのことですから、もしも誤った造成費で計算したのであれば、不利になってしまいます。

令和6年分の財産評価基準書は、本年7月1日に公表したばかりなので、まだ相続税申告書を提出前であれば、早めに修正するようにしましょう。

もしも、既に申告してしまった場合、申告期限(10ヶ月)を経過してしまっていれば「更正の請求」という手続きが必要ですが、時期的にまだ申告期限内でしょうから「訂正申告」で済みます。

訂正申告は、e-taxであれば訂正した申告データを再度送信していただくだけの手続きですし、書面の場合には訂正した申告書に「訂正申告」と記入して提出すれば結構です。

さて、このような財産評価基準書の誤りは今年だけのことではなく、昨年も一昨年もありましたし、数年前の誤りが発表されることもあります。

実際、今回発表の誤りの中には、令和元年分の誤りも含まれています。

過去に申告書を提出して、申告期限も経過してから、財産評価基準書の誤りによって税金を納めすぎていた場合には、「更正の請求」という所定の手続きが必要になります。

ご注意いただきたいのは、更正の請求ができる期間は申告期限から5年以内であることです。

例えば令和元年1月1日の相続の場合、今回の誤りにより更正の請求をするのであれば、今年の10月1日までに手続きしなければならないのです。

国税庁からの発表では、誤りの影響があったと考えられる納税者の方に対して、「今後、税務署から個別に連絡の上で所用の対応をとらせていただく方針」として、個別に減額更正処理を行われるようです。

とはいえ、もし誤りに気付いた場合には、まずは早めに税務署へ連絡していただきたいと思います。

《担当:税理士 樋口 智勇》

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