不動産 税金相談室
大使館等へ賃貸した場合の消費税について【不動産・税金相談室】
2024.10.08
Q 私はテナントビルや駐車場、マンションなどの収入があり、消費税の対象となるテナントや駐車場の収入には、消費税を加えて請求しています。
このたび、ある国の大使館より、私の所有する駐車場を借りたいと相談がありましたが、先方から大使館には消費税がかからないと言われています。
毎年、所得税のほかに消費税の申告もしていますが、本当に消費税分を請求しなくて良いのでしょうか。
A 外国の大使館や領事館など外国公館等に対する取引については、一定の条件の下で、消費税が免税とされます。
免税となるための一定の条件とは、その外国公館等が「免税カードを提示している」こと、また国内の課税事業者が「免税指定店舗の指定を受けている」ことです。
課税事業者とは、消費税を納付義務のある法人や個人事業主(不動産所得を含みます)ですから、毎年、不動産収入により消費税申告をされているご質問者も対象と考えられます。
したがって、ご質問者が免税指定店舗であれば、駐車場にかかる消費税は免税として取り扱って差し支えありませんが、もし免税指定店舗の指定を受けていないのであれば、消費税を免税とすることはできません。
さて、免税指定店舗となるためには、「外国公館等に対する消費税免除指定店舗申請書」を外務省大臣官房儀典外国公館室へ提出し、国税庁長官の指定を受ける必要があります(最寄りの税務署へ提出することも可)。
指定までに、一定の審査期間がかかりますので、余裕をもって申請しておくようにしましょう。外務省では、毎月一定時期に申請を締め切って、書類の不備がなければ翌月初付けで指定される流れのようです。
もし、毎月の締切を過ぎた場合には、さらにその翌月扱いとされるそうなので、タイミングを誤ると1ヶ月程度指定が遅れることになりますからご注意ください。
ところで、大使館をイメージすると都心の一等地にあるものを想像してしまいますが、数多くの国が存在するだけでなく、その領事館まで含めると日本中の様々な場所に外国公館等があります。
例えば、静岡県浜松市近隣では外国人労働者として多数のブラジル人が雇用されているためか、浜松市にもブラジル総領事館があります。
外国公館等に対する賃貸はよくある事例というほど多くはありませんが、大都市だけの話ではなく、地方でも起こり得る取引なのかもしれませんね。
《担当:税理士 樋口 智勇》
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