実践!事業承継・自社株対策
少数株主である法人から株式を買い取る場合【実践!事業承継・自社株対策】第219号
2024.10.10
Q:当社は私が代表取締役であり、株式の80%を所有しています。設立時に5%程度出資してくれた取引先の法人から、その保有する株式を私が買い取ろうと考えています。
買取価格は、配当還元価格で先方も私も税務上問題ないでしょうか?
A:ご質問者については、同族株主であることから、株式の時価は、原則的評価方式によることになります。
具体的には所得税基本通達59-6(先々週の第217号で解説)により計算した価格になります。
したがって、配当還元価格で購入すると低額で譲り受けたことになり、時価との差額は一時所得として課税されてしまう可能性があります。
売主の法人に関しては、少数株主ですので、その時価は配当還元価格となります。
したがって、こちらは配当還元価格で売却しても問題ありません。
買主の時価と差があり、その差額は低額で譲渡したということで、寄附金になるのでは?という疑問があるかも知れません。
ただ、売主の時価はあくまで配当還元価格であるので、その価格で譲渡すれば問題ないと考えます。
売主と買主で時価が違うことはよくありますので、価格や誰が買い取るのかは、慎重に検討された方が良いかと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
売主や買主が法人か個人か、また、同族株主か少数株主かで、株式の時価は変わってきますので、株式(非上場株式)の売買をするときは、是非、税理士に相談してほしいですね。
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