実践!事業承継・自社株対策
株式の純資産評価における前払費用や貸付金【実践!事業承継・自社株対策】第229号
2024.12.19
Q:当社株式の純資産評価をするにあたって、当社の貸借対照表には、前払費用や貸付金などの科目があります。
前払費用は費用を繰り延べているだけなので、これは資産性がないかと思うのですが、資産に入れなければいけないのでしょうか?
また、貸付金のうちには回収が著しく困難なものがありますが、貸借対照表上ではそのまま計上しています。
これもそのまま評価しなくてはいけないのでしょうか?
A:前払費用を純資産価額を計算する際の資産に計上するかどうかは、その内容によります。
その判断は、その前払費用に財産的価値があるかどうかで判断します。
すなわち、解約等をした場合に、戻ってくるお金があるかどうかです。その戻ってくる金額で評価することになります。
たとえば、前払いの家賃などは、契約書により途中解約した場合に、日割り等で返金される契約であれば、資産に計上することになります。
借入金の保証料なども、前払いで払っていたとしても、途中で借入金を返済した場合には、残りの期間に対応する保証料が戻ってくるのであれば、資産に計上することになります。
一方、たとえば広告料などを一定期間分前払いして、経過期間に応じて費用化している場合に、途中解約したとしても最低保証料としてそのお金は戻って来ないのであれば、資産に計上する必要はありません。
また、貸付金については、元本の額と既経過利息の額の合計額によって評価することになっています。
ただし、特定の事由により回収が不可能または著しく困難な金額があるときは、貸借対照表の計上額にかかわらず、その金額は控除することになります。
純資産評価をするときは、改めて貸借対照表の各科目の内容をじっくりと見直してみる必要がありますね。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
大分寒くなってきましたね。私が関わっている学校法人の小学校では学級閉鎖が非常に多くて大変だと聞きました。
その理由は、風邪やインフルエンザ、コロナ、マイコプラズマ肺炎など様々あるようですね。一気に押し寄せているようです。天気が続いて乾燥していることなども影響しているのかも知れませんね。
今年も残り少ないですので、十分お体に気を付けられて、是非よいお正月を迎えたいですね。
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