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事業承継税制の従業員数要件【実践!事業承継・自社株対策】第233号

事業承継税制の従業員数要件【実践!事業承継・自社株対策】第233号

2025.01.23

Q:私の会社は、現在父親が代表を務めておりますが、事業承継税制を使って、今年中に私が事業承継をしていく予定です。
昨年に特例事業承継計画を出しており、いつでも事業承継ができる状態です。

ただ、従業員が1人しかおらず、時期は未定ですが退職する予定もあります。

事業承継税制を使うには、従業員がいないといけないということを聞いておりますが、従業員がいなくなった場合は取り消されてしまうのでしょうか?

A:ご質問のとおり、事業承継税制を使うには従業員が1人以上いる必要があります。

既に特例事業承継計画は出せれているとのことで、贈与による事業承継税制を適用するのかと存じます。

その際には、贈与のときにおいて常時使用する従業員の数が1人以上であること、という要件があります。

この従業員は、社会保険(健康保険、厚生年金)の被保険者であるもの、または、2か月以上の雇用契約がある75歳以上のものである必要があります。

親族の従業員であっても構いません。

また、事業承継税制を受けるには贈与後に認定申請をすることになりますが、そのときにも従業員が1人以上いる必要があります。

事業承継税制適用後に関しては、従業員の雇用確保要件があります。

これは、適用後5年間の常時使用従業員数を平均で贈与時の8割以上確保しなければならない、という要件です。

ただし、8割を下回った場合であっても、下記を行うことによって回避することは可能です。

・都道府県知事の確認を受けること
・贈与承継期間(5年間)の末日の翌日から4か月を経過する日までに、従業員数が8割を下回った理由を記載し、報告書等を提出すること
・税務署に確認書を提出すること

ご質問者の会社においては、従業員数が1人であると、その方が退職したとたんに8割を切ることになります。

安心して事業承継税制を適用していくためには、やはり複数の従業員を雇用できるようにしていくことが肝要ではないでしょうか。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

事業承継税制が創設された趣旨は「中小企業の事業承継の円滑化を通じた雇用の確保や、地域経済活力の維持を図る」ということです。
したがって、事業承継税制では雇用の確保が重要視されているのですね。
改正によって少しずつ緩んではきましたが、その趣旨は継続していますので、事業承継税制を継続していくのであれば、雇用確保は重要であることを意識しておいた方がいいですね。

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