実践!相続税対策
区分地上権の評価について【実践!相続税対策】第680号
2025.02.05
皆様、おはようございます。
資産税部の太田遼です。
皆様は区分地上権といった権利を聞いたことがありますでしょうか。
あまり聞き覚えのない言葉かと思いますが、実は意外と身近にあるもので、土地の評価においても見落としがちな減額要因のひとつとなっております。
今回はそんな区分地上権について、どういった権利なのか、また、どのように土地の評価を行うのかお伝えしていきます。
まず初めに、区分地上権の定義ですが、「工作物を所有するため、他人の土地の上空や地下といった空間に、範囲を定めて設定された地上権」をいいます。
わかりやすくお伝えすると、地下を通る鉄道やトンネルといった、空間部分を使用する権利を指しています。
すなわち、他人の土地の上空や地下の空間を使用できる権利とお考えください。
では、区分地上権がある場合に、どのように土地の評価を行うのか、見ていきましょう。
区分地上権の価額は、その区分地上権の目的となっている宅地の評価額に、区分地上権の割合を乗じることによって評価します。
【区分地上権の評価額】
自用地評価額 × 区分地上権の割合
ここで出てくる区分地上権の割合とは、その区分地上権の設定により、どれだけその土地の利用が防げられるか、といった割合となります。
この割合は、「土地利用制限率算定要領」というもので確認することができます。
ちなみに、区分地上権の設定でよくある地下鉄等のトンネルの場合、区分地上権の割合は100分の30となります。
なお、区分地上権が設定されているかどうかは、登記簿謄本の乙区欄で確認することができます。
土地の評価額については、高額になることが多いですので、区分地上権が設定されていた場合には控除を忘れないようにご注意ください。
《担当:資産税部 太田 遼》
編集後記
早いもので年が明けてからもう1か月が経ってしまいましたが、皆様はなにか目標を立てられましたでしょうか。
私は食べ過ぎないことを目標としているのですが、事務所の近くには美味しいお店が多いことからそろそろ挫折してしまいそうな気がしております。
本年も皆様にとって有意義な情報をご提供できるよう努めて参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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