実践!相続税対策
団信の課税関係【実践!相続税対策】第691号
2025.04.24
おはようございます。税理士の北岡修一です。
住宅ローンでマイホームを購入する際には、ほとんどの場合で、団体信用生命保険(団信)に加入することになります。借入れの条件であることが多いからです。
団信に加入することにより、万が一債務者が亡くなった場合には、残っていたローン残高が保険金により全額返済されることになります。
これにより、残された家族は安心してマイホームに住み続けることができます。
団信は、融資をする銀行が保険料を支払い、万が一の場合の保険金は、銀行に支払われることになります。
では、この場合の相続税の扱いはどうなるでしょうか?
保険金は銀行に入るので、相続財産にはなりません。
また、住宅ローンは保険金により完済されるので、債務として相続財産から控除することはできません。
住宅ローンはなかったものとして扱えばよい、ということになります。
昨今は、夫婦それぞれが働いていることも多いので、夫婦2人で住宅ローンを借りることも多いですね。
この場合の団信には、ローンの仕方によっていくつかのパターンがあります。
通常の連帯債務の場合、たとえば夫が主債務者で、妻が連帯債務者の場合、主債務者である夫が亡くなれば、団信により住宅ローンはゼロになります。
ただし、連帯債務者である妻が亡くなっても、ローン残高はゼロにはなりません。
次に、それぞれが主債務者であるペアローンの場合は、夫妻のどちらが亡くなっても、それぞれの分の住宅ローンの残高は、団信によりゼロになります。
1/2ずつのペアローンであれば、1/2のローン残高ゼロになるということです。
1/2は残ることになります。
さらに最近では、夫婦連生団信と呼ばれる団信が増えているそうです。
これは、夫婦のいずれかが死亡または高度障害になった場合でも、住宅ローンがすべてゼロになるという団信です。これであれば安心ですね。
ただし、金利は多少上乗せされることになります。
この場合の課税関係ですが、たとえば夫が亡くなったことにより、妻の分の住宅ローンもゼロになるわけですが、この妻の分のローンの消滅は一時所得に該当することになります。
ただし、夫が高度障害になったことにより住宅ローンが完済消滅した場合は、非課税となります。
これは他の規定と整合性を取るために、このように取り扱われています。
団信も種類によって課税の取り扱いが変わってくるので、住宅ローンをする際には、税務面の取り扱いなどもよく聞いておく必要がありますね。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
もう今週末からはGWになりますね。この前まで寒かったのに、あっという間にという感じですね。
気候も良くなってきましたので、是非、良いGWを過ごしていいただければと思います。
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