実践!社長の財務
株主構成をよく見る【実践!社長の財務】第770号
2018.08.06
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
夏の高校野球が始まりましたね。100回記念大会ということでいつもより多くの学校が出ているとのこと。それも常連校が多いような気がしますね。
できれば、1日ずっと見ていたいところですが、そうもいかないのが残念です。それにしても、プロ野球などに比べれば、圧倒的にテンポが速いので、これがいいですね!
プロ野球もそうなれば、もっと視聴率上がると思うのですが。
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします!
株主構成をよく見る
多くの中小企業の経営者は、自社の株主構成のことは、ほとんど気にしていない、というように思います。
もちろん、多くの場合は創業社長およびその親族で、50%超、あるいは2/3超持っているので、経営権はまったく問題ない状況ではあります。
そんなことから、通常の経営においては株主構成が何ら問題になることもないので、株主構成がどのようになっているのかも忘れていることも多いですね。
非上場の場合、株主名簿などはほとんど作っておらず、謄本などにも、株主が出ているわけではありません。
株主およびその持株を確認できるのは、法人税の申告書別表2に書かれているだけ、という会社が大多数です。
この別表2は、法人税の申告をする際、同族会社であるかどうかの判定をするために、作るものです。
多くの場合は、申告を担当する税理士が作っています。
したがって、税理士に株主の異動状況が伝わっていなければ、唯一の株主名簿である別表2ですら、間違っている可能性がああるのです。
そのくらい非上場会社の株主管理というものは、危ういものだという気がします。
そんな状態ですから、別表2の株主には、お金は出していないのに名前だけ載っている人(名義株)や、既に買い取ったのに載っている人、亡くなった人がそのままになっている、なんてことは、ザラにありますね。
事業承継を考える場合も、まずはこの別表2の株主構成がベースになるでしょうから、この別表2の株主構成が本当に正しいのか、確認することが大事です。
もし違っていれば、早目に正しい株主名簿に書き換えておくことです。その修正の内容はきちんと残しておきましょう。
その上で、株主構成はこれで本当にいいのか、ということを考えて欲しいですね。
株式というものは、本当に重要なものです。その株数分、会社の財産を持っているわけですから、安易に株主に入れているけれども、将来のことを考えたら、本当にいいのか? ということです。
設立の時に出してもらった親族や友人、取引先の株主、相続対策だと思って、子どもたちや親族に贈与などをしてきた株主、役員や従業員などに、安く分配してきた株式・・・
これらは、本当にそれでいいのか、ということですね。
その時はそれでよくても、その後関係がなくなったり、悪くなったり、株主が亡くなってしまったり、役員や社員が退職したり、いろいろなことが起こります。
その時に、その株はどうするのか、誰がいくらで買い取るのか、そういうことまで考えた上で、株主を見ておかないといけないですね。
会社も長年やって、利益が蓄積してくると、純資産や類似業種比準方式で株式を評価すると、相当高くなっている可能性があります。
株式を買取るといっても、いくらで買い取るのかで、問題になることも多いのです。
親族についても、事業承継をする時に、できるだけ後継者に株式を集中させたいのですが、いろいろな親族に分散しているとそれも難しくなってきます。
株式を持っている兄弟や他の親族から、経営に口を出されると後継者は非常に、やりづらくなりますね。
以上のような観点から、株主構成は、将来のことを想像しながら、今一度見直してみることが大事です。
まずは、上記の御社の別表2を、是非、見てみてください。
編集後記
8月の今週来週くらいは、夏休みを取る人も多いのではないかと思います。電車などもいつもよりすいていて、夏休みというムードがあるのがいいですね。この期間は少し気持ちの余裕を持って仕事ができるような気がします。
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