実践!社長の財務
被災地の支援に関する税務【実践!社長の財務】第387号
2011.04.04
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
東日本大震災も、徐々に復旧・復興が始まってきました。
ただ、福島県だけは原発の問題があり、取り残されている感があります。
昨日は、ある集まりで福島県にも仲間がたくさんいるため、どのような支援ができるか、話し合いをしました。
さすがに原発については、私たちが関与できるところではありませんが、避難指示・自主避難要請の圏外であっても、福島県というだけで、誰も近づきたがらなくなっている、そのような風評被害が問題だ、という話がでました。
福島県の方々の話を聞くと、旅館や観光などのキャンセルが相次ぎ、経営が立ちいかなくなってきているところが多いということです。
確かに放射能については敏感になりますが、政府の発表や数値情報などをしっかり把握して、風評に惑わされずに私たちができることをやっていかないといけないと思います。
被災地の支援に関する税務
先週は、被災地の得意先に対する売掛金の免除の税務を取り上げました。
今回は、被災地の取引先に災害見舞金などを送った場合には、どうなるか、ということについてです。
この場合には、次のような条件のもと、寄附金や交際費に該当せず、経費として損金に算入することができます。
・被災した取引先に対し、
・被災前の取引関係の維持・回復を目的として、
・通常の営業活動を再開するための復旧期間に、支出する災害見舞金
また、被災者に対する支援物資として、自社製品などを被災地に送った場合の税務は、どうなるでしょうか。
不特定または多数の被災者を救援するために、緊急に自社製品等を提供した場合の費用は、寄附金や交際費には該当せず、広告宣伝費に準ずるものとして損金に算入することができます。
上記両方とも、相手先が被災地であることが重要であり、金額の多寡や送るものは、あまり厳格に適用されることはないと思われます。
各業種や各社によっては、ものだけでなく、サービスや労働などでの支援もあり得るでしょう。
そのようなものも、被災地の支援を目的とするものであれば、基本的には損金に落として構わないでしょう。
是非、各社でできることをされるといいと思います。
編集後記
気がついたら4月ですね。4月にしては肌寒いこともありますし、このような状況ですから、お花見はじめ、そのような気分にならないですね。
でも最近は、自粛・自粛はどうなのか、という論調も多くなっています。確かに自粛、何でも取り止めでは、日本経済が疲弊してしまいます。
ここは各人、各社の判断でやるべきことはやる、日本経済の復興を盛り立てる、という意識を持っておく必要があるのではないかと思います。
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