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被災地の得意先の売掛金を放棄した場合【実践!社長の財務】第386号

被災地の得意先の売掛金を放棄した場合【実践!社長の財務】第386号

2011.03.28

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

東日本大震災で亡くなられた方、行方不明者の数が日毎に増えるのには、本当にいたたまれない気持ちです。心からお見舞いを申し上げます。

原発の方も障害が多く、なかなか先が見えてこない状況ですが、現場で勇気を持って行動されている方々の無事を祈りつつ、早く良いニュースが聞けることを念じるのみです。

今日も災害に関する税務についてです。
 

被災地の得意先の売掛金を放棄した場合

被災地に得意先がある会社も多いかと思います。

このような状況では、それらの得意先から売掛金を回収することが、大変困難であったり、場合によっては、免除してあげたい、ということにもなるかと思います。

得意先に対して売掛金を免除した場合は、通常は、寄附金または、交際費になります。
 
ただし、災害時には、特別な取り扱いがあります。

それは、

・災害を受けた得意先等に対して、
・その復旧を支援することを目的として、
・災害発生後相当の期間内に、
・売掛金、貸付金等の債権を免除した場合は、
・その損失の金額は、寄附金または交際費に該当しない。

という取り扱いです。

これは、阪神淡路大震災の時に、個別通達として出され、その後、法人税法の基本通達9-4-6の2として、まとめられたものです。

もちろん、貸倒損失の要件を満たすような破産や倒産などにいたった場合は、貸倒損失として損金に落としますが、それ以前の場合には、上記のような取り扱いになります。

また、災害発生後相当の期間内とありますが、これは、

災害を受けた取引先が、通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう、

ということですので、それを過ぎてから放棄すると、寄附金などになる、ということですね。

被災地の企業を支援するために、上記のようなことを考えていらっしゃる会社もあるかも知れません。

是非、参考にしていただければと思います。

編集後記

週末は大阪、奈良に行ってきました。この春より新卒で大阪に就職する長男の社宅であるワンルームマンションを、家族旅行兼ねて、家族全員で見に?(家財道具などの調達を兼ね)行ってきました。私たちの就職時に比べて、機能的にすべてのものが揃っており、ホントに恵まれてますよね。
翌日は奈良に行き、ある著名な方のワインの東大寺奉納の式典&ワイン茶会なるめずらしいものに参加してきました。なかなか味わえないすばらしい体験でした。

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