実践！社長の財務

儲からない会社は、オフィスがきたない【実践！社長の財務】第379号

2011.02.07

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

私どもの業界では、そろそろ確定申告モードになってきました。
還付申告などは、もう提出することができます。
　
ただ、最近の確定申告事情は、ずい分変わってきましたね。それは、電子申告やホームページでの確定申告作成です。

そういう機能が充実してきましたから、税理士に頼まずに自分でやる方も増えてきました。
私どもも、お受けする場合は、ほぼ100％電子申告で行なうようになりました。

国税庁のホームページなどでは、確定申告のやり方、作成方法などを詳しく解説していますし、ホームページで簡単に作れてしまう機能も備えています。

私たちの商売に影響があるのかも知れませんが、皆様が自分でできることは、是非、自分でやっていただいた方がいいのではないかと思います。

住宅ローン控除や医療費の還付などは、是非、国税庁のＨＰの確定申告作成コーナーでやってみてはいかがでしょうか？
国税庁のＴＯＰに載っています。→ http://www.nta.go.jp/index.htm

ということで、本日も「実践！社長の財務」行ってみましょう！

儲からない会社は、オフィスがきたない

20数年税理士をやっていると、いろいろな会社に訪問していますが、儲かっている会社は、きれいな会社が多いと感じます。

逆に言えば、儲かっていない会社は、かなりの割合で会社やお店や工場などが、きれいでないことが多いです。

そういうところが儲かっていることもありますが、それが長続きしているところは、皆無ではないでしょうか．．．？

もちろん、きれい、きたない、というのは、ビルや施設の立派さを言うのではなく、掃除や整理整頓が行き届いているかどうか、ということです。

上記のことを、理論的に説明するのは、難しいのですが、皆様は、ブロークン・ウインドウズ理論というのを、ご存じでしょうか？
　
窓が壊れたまま放置されていたり、落書きが消されずに増えていったりしていると、そこから犯罪が増えていく、街がスラム化していく、という理論です。

放置されているということは、その場所、地域は、そういうことに関心のない地域、法が及ばない地域、というアピールをしているようなものだ、というのです。

そうなるといつの間にか、そのような行為をする者が増えていき、犯罪者が集まってくるのです。犯罪者にとって居心地のいい地域になってしまうのですね。

1つの現象というのは、同じ仲間を集めていくという性質があるのだと思います。放置されている自転車のカゴに、ゴミが1つ入ると、次々にゴミが投げ捨てられていきます。

落書きもそうですね。1つ落書きされると、どんどん落書きが増えていく．．．不法投棄などもそうです。
　
　
こういう理論が会社にも、きっと当てはまるのだと思います。会社をきれいにしていると、皆も気をつけてきれいにする、会社がきれいだと気持ちがいいですから、明るくなり、元気が出てくる。その結果、業績にもいい影響を与えてくる。

これくらいのことは、すぐに想像できますね。
会社にいい氣が流れていると、社員は集中できますから、サービスや商品や応対も、良くなっていくのです。

逆に会社が汚かったり、いろいろなものがあちこちに整理整頓されていないと、何となくダラーっとした気が充満してきますね。

そういう会社にいくと、入っただけで、重い雰囲気です。あいさつもしにくいし、笑顔もあまりありませんね。ギスギスした感じにもなります。

これでは、業績が良くならないのは、何となくわかるような気がします。

先ほどのブロークン・ウインドウズ理論の実践例として、ニューヨークの地下鉄の犯罪が急減した例があります。

ひと昔前は、ニューヨークの地下鉄と言えば、犯罪が多発して、とても一般市民が乗れるようなものではなかったと言います。

そこで、犯罪防止の特別予算がつき、何をしたかと言えば地下鉄の落書きを徹底的に消したそうです。
すべての落書きがなくなったら、急速に犯罪が減っていったのです。

凶悪犯罪を取り締まるのではなく、落書きを消すという小さなことを徹底してやったことが、大きな効果を生んだのです。

これはビジネスにも、とても参考になりますね。
会社でも大きな改革をやる前に、まずは、毎日の掃除を少しずつでも継続してやる。

仕事中でも、仕事が終わってからでも、こまめに整理整頓をしておく。床に落ちているゴミを拾う。カーペットが汚れたらゴシゴシと汚れを落とす。

小さいことを継続することで、常に会社はきれいになっている。

こういうことをきちんとやることが、実は業績を上げていく上では、きっと役に立っているのではないでしょうか？