実践!社長の財務
自社の真実の姿を見る【実践!社長の財務】第603号
2015.05.25
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
マイナンバー制度、来年から利用が開始されますが、最近急激にその話題が多くなってきました。
思ったよりも、番号の管理は重要で、厳格に行う必要があり、その体制を今から準備していかないといけない、間に合わないということで、各企業の動きも慌ただしくなっています。
皆様の会社は、準備を進めていますか?
ということで、本日も「実践!社長の財務」行ってみたいと思います。
自社の真実の姿を見る
先週は、現状の正しい数字を把握するために、会計のルールを決めることが重要、というお話をしました。
売上や経費など、まずはどの会社でも出てくるようなものを、どのように計上していくかを、決めます。
でも、それだけでは決して十分ではないかも知れません。
本当に今の自社の現状、真実の姿を把握するのに、それで十分なのだろうか? ということを考えて欲しいのです。
たとえば、これはどの会社でもやるでしょうが、
・年に2回払う賞与は、毎月発生していると考えられるから、毎月、賞与の見込み額を費用計上する。
・減価償却費も、毎月資産を使用しているので、概算額あるいは、償却ソフトで計算した当月分の減価償却費を計上する。
最低でも上記の2つはやって欲しいですね。
・さらには、ポイント還元しているような会社は、当月発行したポイントの内、将来使われる見込みの金額を費用計上しておく。
・社員や役員が将来退職した時の退職金を、少しずつ見込んで毎月費用計上しておく。
・販売した商品にかかるアフターフォローが見込まれるものについては、販売した額の一定額を製品保証の費用として見込み計上しておく。
・その他、まだ支払いもしていないし、請求書も来ていないが、将来支払う原因がすでに発生しているものは、費用計上をしておく。
・資産の評価が目減りしているものは、評価減していく。在庫などは特にそうです。
・取れそうもない売掛金があるのであれば、落とす、あるいは引当金をたてる。
・無形固定資産や投資その他の資産などに、よくわからないものが載っているが、それは本当にその価値があるのか?
などなど、自社の業務の内容などをよく考えて、今の試算表などで、もれているものはないかを、よ~く考えて欲しいですね。
これは会計基準や、税務上の取り扱いなどとは関係なく、考えて欲しいことです。あくまで、経営のための会計です。
しっかり現状を把握して、会社を健全に伸ばしていくために考えることです。
現状をいい加減に見て、会計事務所が出す試算表などを鵜呑みにしていると、実は現状はまったく違っていた。状況が悪くなると急に苦しくなってきた。
こんな費用もあった、あんな費用もあった...こんなはずではなかったのに...となってしまうことにもなりかねません。
現在の自社の状況は、本当はどうなっているのか、本当に安心できる状況なのか、是非、厳しい目で見て欲しいですね。
編集後記
6月の初旬に、娘が留学しているベルギーに行ってきます。
去年の7月末から1年の予定で行っているので、そろそろ終盤に近づいており、行っている間に一度は行きたいと思っていました。そんなこともあり、それまでにやるべきことをやろうと本当にバタバタしていますね...最近は(笑)。
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