実践!社長の財務
会社の規模で株価が変わる!?【実践!社長の財務】第589号
2015.02.16
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日は2月16日。私どもの業界では、繁忙期の始まりですね。
確定申告の開始ですが、でもその前から、還付申告は出していますし、資料を集めたり入力をはじめていたり、もう半分くらいは過ぎているイメージですね。
皆様も早目に、自分の申告やってしまいましょう。
ということで、本日も「実践!社長の財務」行ってみたいと思います。
会社の規模で株価が変わる!?
先週、自社株対策のことを書きましたが、非上場会社の株価を計算するのは、非常に難しいことなのです。
上場会社であれば、株式市場で取引される金額が、日々出ていますから、それで評価すれば公正な評価といえます。
ただ、非上場会社には、そのような時価がありません。
でも、売買価格や、所得税、相続税、贈与税などを計算するには、1株いくらなのか、という株価を決めなければいけません。
では、どのように決めるのか?
通常は、相続税評価額がベースになります。相続税の財産評価基本通達により計算される評価額です。
これは、相続税や贈与税の計算に使われる評価額ですが、この評価額が、通常の売買や、所得税や法人税の計算でも、準用されています。
この相続税評価額は、原則的な評価方法として、純資産価額方式と、類似業種比準価額方式があります。
会社の純資産をベースにした評価方式と、類似する業種の上場会社の株価から、比準して評価する方式の2つです。
この2つの方式、多くの場合は、類似業種比準価額の方が低くなります。
上場会社と、利益や純資産、配当を比較するわけですから、どうしても見劣りして、自社の株価が低くなってしまうでしょう。
また、上場会社の株価も、日本は意外と低くなっているので、(昨今は上がってきましたが…)自社の株価も低く評価される、ということなのでしょう。
ということで、相続税や贈与税などはもちろん、多くのケースでは、株価は低く評価された方が、都合が良いでしょう。
そこで、できるだけ類似業種比準価額で、評価したいところです。
どちらの評価方法で評価するのかは、実は会社規模によって決まってきます。
会社規模が大きいほど(上場会社に近くなるほど)、類似業種比準価額で評価することができるようになるのです。
会社の規模によって、類似が何%、純資産が何%で、折衷評価せよ、という決まりになっています。
では、類似業種比準価額で評価するには、どの位の規模の会社になればいいのでしょうか?
まずは、社員が100人以上いれば、100%類似業種比準価額で評価することができます。
もし、純資産価額の方が低ければ、そちらで評価することもできます。
パートやアルバイトなどは、社員換算して社員数を計算します。
社員100人未満の会社については、社員数の他、総資産の額や売上高で、会社の規模を判定していきます。
この会社の規模が、どのランクになるかによって、評価方式、類似と純資産の折衷割合などが、決まってくるのですね。
その中で、わかりやすい基準を1つだけ言っておきます。
年間売上が、卸売業で80億円、それ以外の業種では20億円以上あれば、100人以上の会社と同様に、100%類似業種比準価額で評価することができます。
ですから、20億円以上の会社になれば、株価が低くなる、と考えて、是非、それを1つの目安として頑張って欲しいですね!
編集後記
メルマガをやったり毎月会社でニュースレターを出したり、雑誌の原稿を書いたり、最近ものを書くことが大変多いです。これがなかなか書けない時も多いものです。ヤル気にならなかったり、何を書いていいか悩んでいたり、ついつい後回しにしてしまったり...。
でも、これだけやっていると、秘訣がわかってきました。それは、とにかく書き始めることです!手をつけることですね!
やり始めると、やる前に考えていても出てこなかったことが、どんどん出てきたりして、意外と書けるのです。書けないと思っていたことも、書けてしまうものです。
これは自分の中では、結構教訓になっていて、メルマガや原稿だけでなく、他の仕事においても、とにかくまず手をつける、やり始める、ということが大事だな、仕事を進めるコツだなと思います。
まあ、これは自分のやり方ではありますが、もしそうかもと思ったらやってみてください。簡単です。やり始めればいいのですから。
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