実践!社長の財務
資金繰り改善策は、B/S・P/Lから【実践!社長の財務】第575号
2014.11.10
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
消費税再増税の有識者会合が始まり、再増税か先送りか賛否両論のようですね。若干再増税の方が多いようですが。
いずれにせよ、意見拮抗で分からなくなってきました。個人的には今の景気情勢は良くないのでは、先送りが良いのでは、と思っていますが、果たしてどうなるのでしょうか?
あと、1カ月で決定です。
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします!
資金繰り改善策は、B/S・P/Lから
B/S、P/Lを見ていれば、資金繰りの改善ポイントがよくわかってきます。
実際の資金繰りを見るには、資金繰り表やキャッシュフロー計算書を見ると思います。
これらの表によって、一定期間の資金の動きがどのようになっているのかが、よくわかります。
ただ、資金繰りを改善しようと思えば、上記の表も大事ですが、やはりB/S、P/Lを良く見て、大きな方向性をつかんでいく必要があります。
B/S(貸借対照表)は、資産や負債の一定時点の残高を表示しています。ただ、それだけだと、残高がわかるだけね、ということになりますが、もう少し意味を考えて欲しいと思います。
たとえば、B/Sの右側(負債の部・純資産の部)は、資金の調達方法を表わしている、ということです。
人から借りてきたのか(負債の部)、自分で出資したり自分(自社)で稼いだお金なのか(純資産の部)、というのを表しているのが、B/Sの右側なのです。
さらにその調達してきたお金を、どのように使っているのか、残っているのか、を表わしているのがB/Sの左側(資産の部)なのです。
固定資産になっているのか、在庫として残っているのか、人に貸しているのか、そして会社に残っている現預金はいくらか、B/Sの左側は、調達してきたお金の使い途を表わしていますよね。
資金繰りを良くしていくには、B/Sを見ながら、この資金の使い途を見直していくことです。
資金繰りが苦しいのは、資金の使い途が、在庫に行っていたり、売掛金に行っていたり、固定資産として固定されていたりするからです。
その結果、実際に使える現預金が少なくなっているのです。
また、借入金など負債の返済でも資金繰りは苦しくなります。
B/Sの右側には、流動負債と固定負債がありますが、これは、1年内に返すもの(流動)と、それ以上先に返すもの(固定)という基準で分けられています。
買掛金などは売掛金の回収で、返せるでしょうが、問題は借入金の返済ですね。これは、現在および将来の現金預金と利益で返していかなければなりません。
1年間に返済する借入金はいくらあるのか、それをB/Sで明確にわかるようにしておくことです。
したがって、長期借入金は、全部固定負債にしないで、1年内に返済するものは、流動負債に入れておくことも大事です。
この借入金を返すためには、それだけの利益を上げなければいけません。そこでP/Lの登場です。
借入金の返済原資は、P/Lの一番下、税引後の当期純利益です。それと、費用だけども資金の流出を伴っていない、減価償却費も借入金の返済原資になります。
したがって、当期純利益+減価償却費が、1年間に返えせる借入金の返済額、ということになります。
借入金の返済額 < 当期純利益+減価償却費 になっているかどうか、確かめてください。
そうなっていなければ、利益を上げていくしかない、のですね。もちろん、不足分をまた借り入れるということも現実にはあるのですが、それではいつまでたっても、借入金は減っていきません。
B/S、P/Lをじっくり眺めてみて、どのようにしたら資金繰りが良くなるのか、考えてみて欲しいですね。
編集後記
この時期、続々と忘年会の予定が埋まっていきますね。よくぞバッティングしないものだと我ながら感心していますが、もう少しすると段々とバッティングしてくるんでしょうね。さすがに毎日だとツライですが...皆様もほどほどに。
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