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家屋の所有者とリフォーム費用を負担する者が違う場合【不動産・税金相談室】

家屋の所有者とリフォーム費用を負担する者が違う場合【不動産・税金相談室】

2020.01.24

Q 母は父が亡くなってから1人住まいなのですが、この度、長男である私が家族と共に同居することになりました。
2世帯で住むために家をリフォームする必要があり、その費用は私が出すことになりました。
家屋の名義は母ですが、私が負担する費用は税務上、どのような扱いになるでしょうか?

A 母親名義の家屋のリフォーム費用を、長男が負担し、家屋の名義はそのまま母親である、ということになると、長男から母親にリフォーム費用相当額を贈与したことになりかねません。

そうなると、金額によっては多額の贈与税がかかってきます。
お金はリフォーム費用に使ってしまっていますから、これに税金がかかってしまうと大変です。

これを避けるためには、家屋の持分を一部移動する必要があります。

どのくらいの持分を移動するかの計算は、いくつか考えられますが、たとえば未償却残高を使って、次の例のように行います。

  □ 元々の建物の建築費  4,000万円
  □ 耐用年数に応じた未償却残高 3,000万円
  □ リフォーム費用  1,000万円

移動する持分の計算 1,000万円÷(3,000万円+1,000万円)= 25%

リフォーム前の建物の価値を 3,000万円であり、それにリフォームに 1,000万円をかけたので、建物の価値は 4,000万円となり内リフォーム分は 1,000万円で25%だと、いうことです。

その持分を、母から長男に移転登記します。
この登記の内容ですが、母から長男に、建物の持分を譲渡した、ということになります。
 
考え方としては、本来は建物の所有者である母親が支払うべきリフォーム費用を子が払い、その弁済として建物の持分を譲渡した、ということになります。

いわゆる代物弁済として登記をすることになります。

母親は譲渡になりますが、建物の譲渡収入 1,000万円、払ったリフォーム費用1,000万円ということで、譲渡所得は発生しません。

ちょっとややこしいですが、しっかりリフォーム費用分の持分を計算して、登記をした方が良いでしょう。

《担当:北岡》

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