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不動産 税金相談室

土地と建物を一括で取得した場合の取得価額の按分【不動産・税金相談室】

土地と建物を一括で取得した場合の取得価額の按分【不動産・税金相談室】

2020.02.07

Q 不動産投資を考えマンションを購入しました。土地と建物の額を按分したいのですが、どうしたらいいでしょうか。
また、減価償却費を考えると、できる限り建物価額を大きくしたいと思っています。

A まずは、不動産売買契約書を確認してみましょう。

土地と建物の価額が、明確にそれぞれ別記されていなくとも、消費税額の記載があれば、その消費税額を消費税率で割り戻すことにより、建物価額を算出することができます。

たとえば、支払金額 2,110万円 消費税額が 10万円と記載されている場合
 消費税額 10万円 ÷ 消費税率10% = 100万円(税抜建物価額)
 100万円 + 消費税額10万円  = 110万円(税込建物価額)

その上で、土地の価額を差額で求めます。
 支払金額 2,110万円 - 建物価額 110万円 = 2,000万円(土地の価額)

なお、通常は問題ないケースが多いですが、消費税の記載があっても土地の価額が時価と比較して明らかに妥当でないときは、注意が必要です。

次に、消費税額の記載がない場合、時価により按分する方法、または、固定資産税評価額で按分する方法等があります。

時価で按分する方法は、不動産鑑定士に依頼しない限りなかなか時価を把握することは難しいかと思います。

土地や建物の評価にあたり、特段の減額事由が生じている場合には利用しても良いのかも知れません。

また、この際も土地の時価のみを計算し差額を建物にするなど明らかに土地または建物の価額が、いずれかの時価と比較してかけ離れているときは問題が生じますのでご注意ください。ともに時価を意識することが重要です。

一方、固定資産税評価額で按分する方法は、固定資産税の納税通知書または固定資産税評価証明書に記載されている「価格」で按分する方法です。

計算が簡単にでき、また、費用もかからないので、多くの場合に採用されています。
 
また、発行機関が、公的機関であり、かつ土地建物の評価機関が同一であり同一時期の時価を反映して、評価が出されているため、合理的であると考えられます。判例でも合理性が、認められています。

このように、土地建物の価額は合理的な方法で按分する必要があり、時価を適正に反映した結果、建物価額が多くなる分には問題ありませんが、意図的な建物価額の増額は、税務上のリスクがあるとお考えください。

《担当:青木》

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