不動産 税金相談室
譲渡所得の取得費について【不動産・税金相談室】
2021.03.26
Q ずいぶん前に、父より相続した実家を売却することになりました。
父が取得した時の契約書は土地建物を一括して購入していますが、譲渡所得を計算するにあたっては、どのように取得費を計算するのでしょうか?
A 譲渡所得は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
取得費に該当するものとしては、購入価格、購入時の仲介手数料、収入印紙、登録免許税、不動産取得税、固定資産税精算金などがあります。
相続した際の登記費用も、取得費とすることができます。
また、建物には減価償却という考え方があります。
購入時の金額をそのまま取得費とすることができず、時間の経過とともに価値が減少しているため、減価償却分を控除する必要があります。
そのため、土地と建物の取得費を区分しなければなりません。
土地と建物の価格を区分にするため、次の順番で確認してみてください。
1.売買契約書に、土地価格と建物価格が明記されているか
2.売買契約書に消費税額が記載されていれば、その額から割り戻して建物価格を計算し、残りを土地価格とする
3.土地と建物の固定資産税評価額で、購入代金をあん分計算する
4.建物の標準的な建築価格表で建物価格を計算し、残りを土地価格とする
土地と建物を一括購入した場合でも、土地の価格と建物の価格がそれぞれ記載されている契約書もありますが、そうでない場合もあります。
消費税は建物にかかるため、土地建物一括の金額が記載してあると同時にカッコ書きなどで、消費税の金額が記載されている場合もあります。
売買契約時の消費税率を確認して、割り戻すと建物価格が判明します。
当時の固定資産税評価額がわかる場合は、土地と建物の評価額であん分する方法もあります。
購入したときに建物がすでに中古物件であったりすると、固定資産税の精算をしている可能性がありますので、関係資料が残っていることもあります。
建物の標準的な建築価格表とは、建築年と建物の構造による建築価格が一覧表としてありますので、その価格に建物の延べ床面積を乗じて建物の取得価格を計算します。
購入価格以外の取得費となる金額も、上記の土地価格と建物価格の割合によって、あん分計算します。
以上のような方法により、土地と建物の取得価格を、まずは明確にすることが重要です。
《担当:宮田》
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