不動産 税金相談室
共有名義の賃貸物件の確定申告【不動産・税金相談室】
2021.04.09
Q 母と子2人の3人共有で、アパートを所有しています。
この家賃収入については母が管理していることもあり、母が全部の収入について、まとめて確定申告することで構わないでしょうか?
A 共有名義の賃貸物件の確定申告については、家賃の入金がすべてお母様にされていたとしても、各人の共有割合に基づいて、各人が確定申告をする必要があります。
共有物件の場合には、各人に家賃が振り込まれるのではなく、そのうちの代表者の方に振り込まれることが多いですね。
そのため、その代表者が、まとめて確定申告をしている例も見られます。
長年それを続けていても、税務署からは何も言ってこないことが多いようです。
そのため、それで良いのかと思っている方もおられますが、本来は共有者各人が申告しなければなりません。
申告のやり方としては、代表者のお母様の方で、収入やすべての必要経費を管理して、全体の収支計算表を作成し、最後に各人の持分割合を掛けて各人の収支計算表を作成するやり方がやりやすいのではないでしょうか。
もちろん、各人の取り分については、最終的にはそれぞれに支払うことになりますが、贈与税がかからない範囲などであれば、お母様に渡すことも可能かと思います。
なお、青色申告をしている場合には青色申告特別控除を10万円、または事業的規模の場合には65万円(あるいは55万円)を控除することができます。
この場合、事業的規模であるかどうかの形式基準に、5棟10室基準があります。戸建賃貸の場合は5棟、アパートやマンションなどの場合は10室以上あれば、事業的規模になるという基準です。
この事業的規模の判定について、共有の場合は部屋数などに各人の共有割合を掛けるのかということですが、そのような必要はなく全体で判断します。
すなわち、アパートの部屋数が10室以上あれば共有者3人全員が事業的規模で事業を行っていることになり、それぞれ65万円の控除を受けることができます。
その意味でも、それぞれがしっかりと確定申告を行っていただければと思います。
《担当:北岡》
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