不動産 税金相談室
資産税に関する2021年度税制改正の概要【不動産・税金相談室】
2021.04.16
Q 2021年度の税制改正によって、不動産や資産税関係の税制はどのように変わったのか教えてください。
A 3月26日に成立した2021年度税制改正法案では、不動産・資産関係の税制について大きな改正はないものの、従来制度の延長やコロナ禍を踏まえた改正などが盛り込まれております。
項目別に概要を取りまとめましたので、ご自身に関係する改正内容についてご確認くださいませ。
【 住宅ローン控除の改正 】
住宅ローン控除制度の控除期間は、原則「10年間」となっておりますが2019年に消費税が 10%へと引き上げられたことに伴い、控除期間「13年間」の特例制度が創設されています。
今回の改正では、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の拡大による経済対策として、控除期間「13年間」の特例を、2022年末まで延長することとされました。
また、対象物件の床面積要件の下限が、50平米以上から40平米以上へと緩和されました(所得 1,000万円を超える年は不可)。
【 住宅取得資金贈与の改正点 】
住宅取得資金の贈与については、2021年4月以降、非課税限度額を縮小する予定となっておりました。
これも新型コロナの経済対策として、非課税限度額を据え置くよう改正されています。
これにより、本年4月から12月までに契約等をした場合の非課税限度額は、耐震性など良質な住宅用家屋に該当する場合は、1,500万円(消費税10%以外の場合 1,000万円)、一般住宅の場合は 1,000万円(消費税10%以外の場合500万円)となります。
また、対象物件の床面積要件の下限について、贈与を受ける方の所得が1,000万円以下である場合、50平米以上から 40平米以上へと要件緩和されています。
【 教育資金、結婚・子育て資金一括贈与の改正点 】
教育資金の一括贈与、結婚・子育て資金の一括贈与にかかる非課税措置について、2023年3月まで2年延長されることとなりました。
また、一括贈与した資金の残金(管理残額)にかかる、相続税の取扱いも改正されておりますのでご注意ください。
【 土地にかかる固定資産税の改正点 】
新型コロナによる経済状況の悪化を考慮し、土地の固定資産税評価額が上昇した場合でも、2021年度は税額を据え置くこととされます。
また、2023年度まで、固定資産税評価額の上昇や下落による負担の調整措置を継続することとされました。
以上、主なものを取り上げてみました。
《担当:樋口》
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