不動産 税金相談室
不合理分割した宅地の評価【不動産・税金相談室】
2021.06.11
Q 父の自宅を、私と弟で相続により取得しました。
弟とは、半分ずつ財産を分ける約束をしました。
父の自宅は、建物を取壊した後、売却を予定しています。
この土地の路線価は高く、少しでも価格を安くしたいため、あらかじめ分筆をし、私の土地は、道路に接しないようにし評価を減少させたいと思いますが、税務上、何か問題になりますか?
A 道路に接しない土地に分筆してしまう点に、税法上問題があります。
それは、この分筆が、不合理分割に該当するためです。
不合理分割とは、無道路地、帯状地または著しく狭い土地を創出するなど分割後の画地では、現在および将来においても、有効な土地利用が図られないと認められる分割をいいます。
建物を建設するためには、道路に2m以上接している必要があります。
ご相談者様が予定している分割ですと、ご相談者様の取得する土地は接道義務を満たしておらず、建物を建てられない土地になります。
建物を建てられない土地は、利用用途が限られ、購入者がつかないことが予想されるため、通常このような分割の仕方は考えにくいように思います。
よって、このような分割をした場合は、分割前の土地全体を1つの評価単位として評価した後、面積按分することになります。
なお、万が一、弟様との関係が悪化した場合は売却にかなり苦労されることにもなります。
相続税の評価が低くなるということは、そもそもその土地の価値が低いということです。
節税のために、結果として土地の価値を下げるような方法は、経済的な面からも得策ではないでしょう。
《担当:税理士 青木 智美》
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