不動産 税金相談室
残置物の撤去費用は、譲渡費用になるか?【不動産・税金相談室】
2021.08.08
Q 昨年、父の相続で取得した土地建物を、今般売却することになりました。
現状有姿のまま売却することになりますが、父が使っていた家財等、家の中にあるものは、撤去して引渡すことになっています。
この場合の撤去費用は譲渡費用として控除することができるのでしょうか?
A 残置物の撤去費用は、通常、譲渡費用にはなりません。
土地建物を売却した場合の譲渡所得は、土地や建物を売った金額から、取得費と、譲渡費用を差し引いて計算します。
この場合の譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接かかった費用のことです。
たとえば、仲介手数料、売買契約書の印紙税、立退料、更地にして売却する場合の建物の取壊し費用などが該当します。
売るために「直接かかった費用」であることが必要になってきます。
したがって、その資産の維持や管理のためにかかった費用などは、譲渡費用にはなりません。
建物内の家財等の撤去費用は、通常、資産の維持や管理のためにかかった費用に該当するため、譲渡費用とすることができません。
ただし、買主からの要望で、残置物の撤去が譲渡の条件となっているような場合は、譲渡費用にできる可能性があります。
売買契約書の特記事項などに、残置物の撤去が譲渡の条件であることが明確にうたわれているような場合は、譲渡費用としてもよいのではないでしょうか。
《担当:税理士 北岡 修一》
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