不動産 税金相談室
建物を取り壊して土地の一部を譲渡する場合【不動産・税金相談室】
2021.10.15
Q 自宅と貸家数件の一筆の土地を所有しています。
このたび、建物をすべて取り壊して、大部分の土地を売却。残った土地に新たに自宅を建築する予定です。
この場合、3,000万円特別控除は使えるのでしょうか?
A 居住用財産を譲渡した場合の 3,000万円特別控除は、居住していた家屋を譲渡した場合、その家屋とともにその敷地を譲渡した場合、その家屋を取り壊して敷地を譲渡した場合に、適用を受けることができます。
ご質問のケースは、家屋を取り壊して土地を売却するということですので、基本的には、3,000万円特別控除を受けることができます。
ただし、どの部分の土地を売るのか、どこに新たな自宅を建築するのか、によっては、受けられない可能性もあります。
すべての家屋を取り壊した上で、売却するのが貸家部分の敷地であれば、自宅部分の敷地は売却していないことになります。
自宅が建っていた部分に、新たな自宅を建てるというのであれば、単なる建替えに過ぎないため、3,000万円特別控除を受けることはできません。
売却する土地が自宅の敷地部分を含んでおり、今まで貸家の敷地であった部分に、新たに自宅を建てるというのであれば、3,000万円特別控除は受けられる、ということになります。
なお、家屋を取り壊して敷地を譲渡する場合に、3,000万円特別控除を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。
○ 家屋を取り壊した日から1年以内に売買契約を締結すること
○ 住まなくなってから、3年を経過する日の属する年の12月31日までに土地の引き渡しを行うこと
○ 家屋を取り壊した後、売買契約を結ぶまでの間、一時的に貸駐車場にするなど、他の用途に使用しないこと
なお、3,000万円特別控除の適用を受けられるのは、あくまで自宅の敷地部分のみですので、貸家の敷地部分の売却益からは控除することができません。ご注意ください。
《担当:税理士 樋口 智勇》
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