不動産 税金相談室
業者との借地権と底地の交換【不動産・税金相談室】
2021.12.10
Q 私は現在、借地に自宅を建てて住んでいます。
このたび地主である不動産業者から、借地権と底地の交換の提案を受けています。
交換をすることにより土地は狭くなりますが、自宅が建っている部分の土地は私の所有となります。
交換する場合であっても借地権の譲渡になるとのことですが、交換の特例を使うことができるのでしょうか?
なお、現在地主である不動産業者は、数か月前に前の地主さんから底地を購入しているようです。
A 交換の特例(所得税法第58条)は、土地と土地、建物と建物など、同じ種類の資産と交換した場合は、譲渡がなかったものとする、という特例です。
借地権と底地を交換した場合も、同種の資産として交換特例の対象となります。ただし、この特例の適用を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。
1.交換により譲渡する資産および取得する資産は、いずれも固定資産であること
2.交換により譲渡する資産および取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること
3.交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること
4.交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと
5.交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること
6.交換により譲渡する資産の時価と、取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうち、いずれか高い方の価額の20%以内であること
ご質問の場合は、相手が不動産業者であるということで固定資産ではなく、棚卸資産(販売するための資産)にしている可能性が高いです。
また、数か月前に購入したということであれば、4.の1年以上所有していたという要件にも該当しません。
したがって、交換の特例は適用できない可能性が高いと思われます。
固定資産か棚卸資産か、購入したのはいつかなどを、不動産業者に確認してみる必要がありますね。
《担当:税理士 北岡 修一》
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