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換価分割をした場合の譲渡所得の申告【不動産・税金相談室】

換価分割をした場合の譲渡所得の申告【不動産・税金相談室】

2022.05.13

Q 父の相続で不動産があったのですが、これについては相続人である兄弟3人で協議した結果、売却してその代金を3分割することにしました。
いわゆる換価分割ということになるかと思いますが、その際、売却手続きの関係上、名義は長男だけの名義にして相続登記をしました。

今回、その売却が終わり、譲渡所得の申告をすることになりますが、この申告については、名義人である長男が申告をすれば良いのでしょうか?
 
A 換価分割をした場合には、各相続人がその代金配分の割合で、その不動産を取得したことになります。

したがって、その不動産を売却した場合には、各相続人がその代金配分の割合で譲渡したことになり、譲渡所得の申告も各相続人が行う必要があります。

登記名義上は、長男様の名義であっても、譲渡所得の申告はその名義にかかわらず、実質的な所有者である3人が行うことになります。

実務的な流れとしては、長男様が売却代金を収受し、仲介手数料等を支払った後の残額を、他の2人の相続人の代金配分の割合に応じて、2人に支払うことになります。

この支払金額が贈与になるのではと、心配される向きもありますが、遺産分割協議書等に換価分割を行う旨、および、代金配分の割合が明確に記載されていれば、贈与になることはありません。

なお、その家屋に居住されたいた方がいる場合は、その方については、居住用財産の 3,000万円特別控除を受けることができます。
居住されていない方は、同特別控除の適用はありません。

また、譲渡した不動産が空き家の 3,000万円特別控除の要件を満たすときは、譲渡した3人がそれぞれ同特別控除の適用を受けることができます。

この場合は、それぞれが被相続人居住用家屋等確認書を市区町村に申請したりする必要がありますので、早目に手続きを行うことをお勧めします。
               

《担当:税理士 北岡 修一 》

 
 

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