不動産 税金相談室
借地権者の地位に変更がない旨の申出書【不動産・税金相談室】
2022.06.17
Q 父親が借地に家を建て、親世帯、子世帯の2世帯で住んでいます。
この度、地主に相続があり、その相続人から土地を買い取ってくれないかと打診を受けています。
父親には余裕資金があまりないため、子である私が買い取ろうと思います。
買取り後は、父親から地代をもらうつもりはありませんが、特に問題はないでしょうか?
A 子が地主から買い取る金額は、借地権が設定されている土地であるため、底地価格で買い取ることになるかと思います。
その買取り後に、地代の収受が行われないことになると、その土地は賃貸借ではなく、使用貸借の目的とされている土地となります。
使用貸借の権利の価額はゼロということになりますので、ご質問者が買い取った底地は、更地価値になったものとみなされます。
すなわち、父親の借地権が消滅し、ご質問者に権利が移ったことになりますので、父親からご質問者に借地権相当額の贈与があったものとみなされます。
そうなると多額の贈与税が課される可能性がありますので、これは避けたいところです。
このような場合には、父親が借地権を放棄していない旨を税務署に申し出ておく必要があります。
そのための申出書が、「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」です。
これは、借地権者である父親と、土地の所有者である子の連署により提出することになっています。
これにより、子に贈与税が課されることを回避することができます。
ただし、父親に借地権があることを明確にすることでもありますので、父親の相続の際には、借地権を相続財産とする必要があります。
《担当:税理士 北岡 修一 》
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