不動産 税金相談室
自宅建物を取り壊した後の 3,000万円特別控除の適用 【不動産・税金相談室】
2022.11.04
Q 私たち夫婦は今年、長年住んでいた自宅から分譲マンションに転居しました。
自宅は既に取り壊し、賃貸アパートを建てるために計画を進めており、建築会社と契約をしておりましたが、思うように収支計画が見込めないため、アパート建築を取りやめ、土地を売却することになりました。
この場合、3,000万円控除は使えるのでしょうか?
A 自宅建物を取り壊した場合は、その取り壊した日から1年以内にその敷地であった土地の譲渡契約を締結し、かつ、その自宅に住まなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に、その土地を譲渡した場合は、3,000万円特別控除の特例を使うことができます。
ただし、自宅建物を取り壊した後、譲渡契約を締結した日までの間に、貸付その他業務の用に供した場合には、3,000万円特別控除の特例の適用を受けることはできない、とされています。
ご質問のケースは、賃貸アパートを建てるために自宅の取り壊しを行い、実際に建築会社との契約もしていることから、貸付その他業務の用に供した場合に該当するのでは、と思われます。
そうなると、ご質問のケースでは、3,000万円特別控除の特例の適用を受けることは難しいのではと考えます。
上記の自宅建物を取り壊した場合の取り扱いは、自宅建物の敷地を譲渡するためには、自宅建物を取り壊す必要があると認められる場合に限って適用されるものと解されています。
したがって、最初から敷地を譲渡する目的で、自宅建物を取り壊したものでなければならない、とされています。
ご質問のケースでは、賃貸アパートを建てるために自宅建物を取り壊していますので、3,000万円特別控除の特例は受けられないものと考えられます。
《担当:税理士 北岡 修一》
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