不動産 税金相談室
相当期間が経ってからの代償分割 【不動産・税金相談室】
2022.12.09
Q このたび、母親から相続した自宅不動産を売却しました。
相続自体は8年前に起こっており、相続人は兄と私の2人です。
相続後、登記をしていなかったので、今回の売却前にこの不動産についての遺産分割協議書をつくり、私の名義で登記をしています。
この不動産には、ずっと私が住んでおりましたので、 3,000万円控除などもして税金を払ったのち、残金の半分を兄にも渡したいと思いますが、相続の代償分割のような形で渡すことはできるでしょうか?
A 8年前に起こった相続であっても、遺産分割がされていないのであれば、遺産分割をすることができます。
その際に、ご質問者が自宅不動産を取得し、その代償としてお兄様に代償金を支払うという代償分割をすることも可能です。
この場合、お兄様が取得する代償金は、相続により取得するものですので、贈与税や所得税がかかることはありません。
ただ、今回の場合は、不動産の売却前に当該不動産についてのみ遺産分割を行ったとのことです。
その後、売却した後に代償金を支払うとのことですが、売却前の遺産分割協議書に代償金の記載がないため、その代償金はご質問者からお兄様に対する贈与に該当するものと考えられます。
売却後に追加の遺産分割協議書を作成したとしても、贈与を避けるための追加の遺産分割協議書とも捉えられかねないため、適切ではないと考えます。
当初より兄弟ともに代償分割を合意しての行為であった場合(登記を目的に遺産分割協議書を作成したため、代償分割の記載が漏れてしまったなど)は当初の遺産分割協議書を作り直すということも考えられますが、この点に関しては専門家にご相談の上、慎重に対応していただければと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
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