不動産 税金相談室
賃貸併用住宅を共有で相続した場合の小規模宅地の特例【不動産・税金相談室】
2023.05.05
Q 父が所有していた2階建て賃貸併用住宅とその敷地を相続するにあたって、相続人で話し合いをしています。
2階は両親の居住用であり、1階は他人に貸付けております。
長男である私は持ち家があり別居しています。
これを、母と子で2分の1づつ共有で相続した場合、小規模宅地の特例の適用は可能でしょうか。
今後も母が2階で暮らし、1階の貸付けも継続していく予定です。
A 共有で相続した場合でも、要件を満たすことで、小規模宅地の特例の適用は可能です。
賃貸併用住宅ですから、2階の居住用と1階の貸付用でそれぞれ敷地を床面積で按分して評価していきます。
2階の居住用に対する評価額は、路線価×敷地面積×床面積按分。
1階の貸付部分に対する評価額は、「自用地とした場合の価額-自用地とした場合の価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合」で計算します。
「自用地とした場合の価額」とは、上記の居住用で評価した価額をいいます。
また、小規模宅地の特例も居住用と貸付事業用で要件が異なります。
これは取得者ごとに判定することになります。
2階の居住用については、配偶者のみ小規模宅地の特例による80%評価減が可能です。
配偶者の場合は、居住用の小規模宅地の特例を適用するにあたっては、特に要件はございません。
子は別居親族であるため、居住用の小規模宅地の特例は適用できません。
1階の貸付部分は、取得者2人がそれぞれ小規模宅地の特例による50%評価減が可能です。
貸付事業用宅地の場合、被相続人の貸付事業を取得した親族が、次の要件すべてに該当していることで、評価額が50%減額となります。
● 貸付事業を申告期限までに引き継ぎ、継続して行っていること
● その宅地を申告期限まで所有していること
引き続き、貸付事業を継続予定とのことですので、適用可能になります。
ただし、小規模宅地の特例については、適用できる面積に限度があります。
居住用と貸付事業用を併用する場合には、どのように適用するかで税額にも影響が出ますので、詳細については、専門家である税理士にご相談ください。
《担当:税理士 宮田 雅世》
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