不動産 税金相談室
相続した土地に建てたマイホームを売却する場合【不動産・税金相談室】
2024.03.19
Q 15年前に父から相続した土地に、8年前にマイホームを建築して住んでいます。この度、この土地建物を 9,000万円で売却することになりました。
相続した代々の土地であるため、取得費はわからず、その場合は取得費は5%しか引けないとのことで、かなりの売却益、譲渡税が見込まれます。
ただ、3,000万円控除や、10年超所有の軽減税率が使えると思うので、その分税金は安くなると思いますが、そのような計算でよろしいのでしょうか?
A ご質問のとおり、取得費がわからない場合は、概算取得費として譲渡収入の5%を取得費とすることになります。
ただし、建物は8年前に建てられたとのことで、建築にかかった金額などはわかるのではないかと思います。
このような場合には、土地のみ概算取得費を使用し、建物は実際の取得費を使用することができます。
具体的には、売却価格を土地と建物に区分し、土地の売却価格の5%を土地の取得費とします。
建物については、実際にかかった建築価額から、減価償却費を差し引いた金額を取得費とします。
8年前くらいですと概算取得費で計算するよりも、この方が取得費は多くなるかと思います。
10年超所有の軽減税率は、通常の譲渡所得の税率20%(所得税15%、住民税5%)が、譲渡益 6,000万円まで税率14%(所得税10%、住民税4%)で計算することができます。
ただし、この軽減税率が使えるのは土地建物ともに10年超所有している場合です。
ご質問者の場合は、建物は8年前に建てられたとのことですので、この要件を満たしておりません。
この場合には、土地建物ともに、軽減税率を使うことができません。
なお、3,000万円控除の方は、所有期間に関係なく使うことができます。
また、ご質問にはありませんが、売却価格が1億円以下ですので、居住用財産の買換え特例を使うことも考えられます(買い換える場合ですが)。
ただし、こちらの方もその土地建物に10年以上住んでいて、土地建物ともに10年超所有していることが要件になりますので、買換え特例も対象にはならないことになります。
以上、ご確認いただければと存じます。
《担当:税理士 北岡 修一》
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