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不動産 税金相談室

相続とマイホーム特例【不動産・税金相談室】

相続とマイホーム特例【不動産・税金相談室】

2024.04.30

Q 父が亡くなり兄弟2人が相続人ですが、現在、遺産分割をどうするか話し合っています。
不動産がいくつかあるのですが、父がひとりで住んでいた実家、長男家族が住む土地建物、次男か住むマンション1室、すべて父が所有しています。

長男と次男が住む家は、どちらも古いので、近々売却を検討していますが、いずれも利益が出そうです。
戸建てとマンションでは価値が違うので、いずれの不動産も半分づつ分けた方が平等になるかと思いますが、税金面で何かアドバイスはありますか。

A おっしゃるとおり、それぞれ物件で価値が異なりますので、半分づつ所有することで、売却代金は平等に得ることができます。

ただし、譲渡所得税を考えるならば、それぞれ居住する物件を相続する方が、マイホームの3,000万円特別控除が100%適用可能かと思われます。
 
マイホームを売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。これを「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

それぞれの物件を、半分づつ相続した場合は、居住していない物件に対しては、マイホーム特例は適用できません。

あくまでも、所有者が自分が住んでいる家を売るか、家とともにその敷地を売ることが要件となります。

今はお父様名義となっていますが、相続登記により所有権を移転することで、所有者として売却手続きが可能となります。

また、譲渡所得を計算する際の取得価格は、相続の場合、お父様が購入したときの価格をを引き継ぎますので、購入時の売買契約書などあれば、そちらもとっておいてください。
  
ただし、それぞれの相続税評価額によっては、遺産分割の方法により、相続税の負担割合も変わってきます。

価値の高い物件を相続した方が、もうひとりの方に代償金を支払う代償分割も含め、どのように分割するのがよいか、兄弟間でしっかり話し合われるのがよろしいかと思います。

《担当:税理士 宮田 雅世》

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