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実家を子がリフォームして同居する場合の課税関係【不動産・税金相談室】

実家を子がリフォームして同居する場合の課税関係【不動産・税金相談室】

2024.10.22

Q 実家には高齢の父がひとりで暮らしているのですが、私たち長男家族が同居する予定です。ただ、今のままでは生活しにくいため、一部リフォームを検討しています。

実家は父名義の建物ですが、リフォーム費用を私が支払うと贈与税がかかると聞いたのですが、税金がかからないようにする方法など、何か対策はありますか。

A 親名義の建物に子がリフォーム費用を支払うことはよくあります。ただ、何もしないままでいると贈与税がかかります。

リフォーム後の建物の所有権は、建物所有者のお父様に帰属します。そのため、リフォーム費用をお父様が支払う場合は、何も問題はありません。

リフォーム費用をご長男が支払うとなると、本来お父様が支払うべきリフォーム費用をご長男が支払ったということで、この部分に対して、ご長男からお父様への贈与とみなされます。

リフォーム費用がいくらかによっては、多額の贈与税が発生します。

これに対して、贈与税がかからないようにするには、リフォーム費用に相当する建物所有権を、お父様からご長男に移転することで解消されます。

たとえば、現在の建物価格が1,000万円、リフォーム費用が1,000万円とした場合を想定して当てはめてみます。
リフォーム後の建物価格が2,000万円のうち、リフォームにかかった費用はその半分の1,000万円であるため、建物所有権全体の2分の1をご長男に移転します。

リフォーム費用を負担してもらい、それに対する建物所有権を移転することは、「代物弁済」に該当します。

また、建物を移転することは、建物の譲渡にも該当しますので、譲渡所得税の問題も発生します。
譲渡所得税は譲渡価格から取得費を控除した金額に対して税金がかかります。

今回の場合の譲渡価格は、ご長男が負担したリフォーム費用のうち、本来お父様が負担すべき2分の1となり、取得費は建物価格のうちご長男に移転した2分の1となります。 

実際は、下記のように譲渡所得は発生しません。
1.譲渡価格 リフォーム費用1,000万円×2分の1=500万円
2.取得費  現在の建物価格1,000万円×2分の1=500万円
3.譲渡所得 1-2=ゼロ

ただし、リフォームの内容や費用の金額に応じて、登録免許税や不動産取得税はかかります。

建物の価格やリフォームにかかる費用がどのくらいかによって、建物持分の移転の割合も変わってきますので、事前に専門家に相談してから実行されることをお勧めします。

《担当:税理士 北岡 修一》

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