実践!相続税対策
生命保険金の受取りは、相続税か?【実践!相続税対策】第435号
2020.04.22
おはようございます。税理士の青木智美です。
今回は、生命保険金を受け取った場合の税金について解説いたします。
そもそも相続税法では、生命保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税の対象となりますが、民法では、相続財産に該当しません。
このため、遺産分割協議書で、分割対象とすることはありません。
また、たとえ相続放棄しても、保険金受取人の固有の財産となるため、死亡保険金を受け取ることができます。
さて、それでは、ある人が死亡保険金を取得したとして、これは相続税の課税の対象でしょうか?
実は、必ずしもそうとは言えません。
一定の場合には、所得税であったり、贈与税として課税されることがあります。
これは、(1)被保険者、(2)保険料負担者、(3)保険金受取人が、誰かにより判断します。
まず、相続税として課税されるのは、被保険者と保険料負担者が同一人の場合です。
受取人が被保険者の相続人であるときは、相続により取得したものとみなされます。
相続人以外の者が受取人であるときは、遺贈により取得したものとみなされます。
(1)被保険者 A:被相続人
(2)保険料負担者 A:被相続人
(3)保険金受取人 B:子 → 相続税の対象
次に、所得税として課税されるのは、保険料負担者と保険金受取人が、同一人の場合です。
なお、所得の種類は死亡保険金を、一時金で受領した場合は、一時所得、年金で受領した場合は、雑所得として課税されます。
(1)被保険者 A:被相続人
(2)保険料負担者 B:子
(3)保険金受取人 B:子 → 所得税の対象
最後に、贈与税として課税されるのは、被保険者、保険料負担者および保険金受取人が、全て異なる場合です。
(1)被保険者 A:被相続人
(2)保険料負担者 B:被相続人の配偶者
(3)保険金受取人 C:子 → 贈与税の対象(Bからの贈与)
このように、誰を対象とし、誰が負担し、誰が受け取るのか、により、支払の対象となる税金が異なります。
契約内容によっては、予期せぬ税金が生じる可能性があるため、注意が必要です。
是非、生命保険契約の内容を、確認しておいてください。
編集後記
コロナウイルスショックが続いております。オリンピックと浮かれていた日がなつかしくも感じます。
いつどうなるかわからない状況で改めて、家族の大切さを実感する毎日です。
できることには限りがありますが、その中で予防に努めていきたいと思います。
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