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実践!相続税対策

親が老人ホームに入った後の自宅譲渡【実践!相続税対策】第492号

親が老人ホームに入った後の自宅譲渡【実践!相続税対策】第492号

2021.05.26

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

親が老人ホームに入ったため、住んでいた自宅が空き家になっているケースはよくありますね。

当初は、また戻ってくることもあるということで、いつでも帰って来れるように、そのままにしていたけれども、

数年も経つと、また自宅に戻ってひとりで住むことは、とても不可能、ということになりがちです。

そうなると、親の自宅を別の用途で使うか、貸すか、売るか、ということになってきます。

売却する場合には、税金面について、注意しておくことがあります。

その自宅が相続で引き継いできた土地である場合や、
かなり昔に購入した自宅である場合には、売却をするとかなりの譲渡益が出る可能性があります。

特に相続などで引き継いできた土地の場合は、取得価額がわからなかったり、わかっても非常に安い金額であったりします。

このような場合には、売った金額の5%を取得費とする、という特例があります。

すなわち、売った金額の95%は譲渡益となる、ということです。
そこから、仲介手数料などの譲渡費用を控除した残額の20%が、譲渡所得税になります。

かなりの税金になる可能性がありますね。

自宅を売却した場合には、3,000万円の特別控除があることは、多くの方がご存知かと思います。

そこで、自宅ではあるけれども、老人ホームに入っていた場合に、この3,000万円控除が使えるかどうか、という問題があります。

老人ホームに入ったことが、身体または精神上の理由により、介護を受ける必要があるためであり、いつでも戻れるように自宅が維持管理されていたような場合は、

老人ホームに入ったのがいつかに関わらず、3,000万円控除を受けられる可能性があります。

ただし、生活の拠点が老人ホームに移ってしまっているような場合は、3,000万円控除を受けることは難しいでしょう。

上記が適用されるのは、療養のために入っている場合や、ショートステイなどの場合で、長期間いるようなケースでは、難しいと思われます。

ただし、3,000万円控除は、住まなくなってから3年を経過する日の12月末までに売却すれば、適用を受けることができます。

たとえ、生活の拠点が老人ホームに移ってしまっている場合でも、老人ホームに移ってから3年目の12月末までに売却すれば、3,000万円控除が使える、ということです。

老人ホームに移って自宅が空き家になってしまった場合、売却を考えるなら、3年以内。

そのまま持っていて相続になった場合は、条件によっては小規模宅地特例で評価が低くなる。

さらに、これもまた条件によっては、相続後売却した場合に、空き家の3,000万円控除を受けられる可能性もある。

空き家になる場合は、あらかじめ将来どうするのか、税務面は、専門家である税理士に是非、相談して欲しいと思います。

編集後記

なかなか緊急事態宣言は解除されませんが、最近はまた非常に相続に関する相談が多くなってきたように思います。
今までは自宅で自粛しがちでしたが、さすがに問題があることをほっておくのは良くないと、動きが出てきているように思います。

Zoomなどのオンラインで打合せを希望する人も増えてきましたね。そのようなものも対応していますので、ご相談あある方は、是非、ご連絡ください。

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