実践!相続税対策
底地-借地権の問題【実践!相続税対策】第493号
2021.06.02
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
マイホームは持っているが、土地は借地であるというような場合は、いろいろ厄介な問題があります。
この場合、借地権を持っているということになりますが、まずは、毎月地代を支払う必要があります。
地代は比較的安いことが多く、そのため、わざわざ土地を購入しよう、という気にならないことが多いと思います。
何も土地を買わなくても、安い地代でずっと住んでいられるのだから、ということです。
ただし、借地契約には期限があり、たとえば20年ごとに更新をする必要があり、その際には地主に更新料を支払う必要があります。
これはかなり高額になることが多いです。
さらに、増改築や建て替えを行う場合などは、地主に承諾料を支払う必要があります。
これも建替え等の費用の5%程度を支払うなど、結構大きな金額になります。
このように借地の場合には、何かやろうとすれば地主に報告して許可を得たり、クレームが付いたりすることもあり、何かと厄介ですね。
地主の方も、安い地代で長年に渡って、自分の土地を自由に使うことができず、さらには、相続などがあれば、底地の評価額に相続税がかかってきますので、決して良い資産運用になっているとは言えません。
このような中で、借主からしたらいずれ底地を買い取ろうかどうか、地主からしたら底地を買い取ってもらおうか、何かのタイミングで借地権を買い戻すか、それぞれ思惑があるのではないでしょうか?
特に底地を売る場合などは、購入してくれるのはほぼ借主に限定されます。
人に貸している土地を第三者が買っても、何の役にも立たないからです。
ましてや地代の利回りはものすごく低いですし。
その他に買ってくれるとしたら、底地専門の買取り業者です。この場合には、せいぜい土地の時価の5%~10%程度ではないでしょうか。
話がまとまらなくなりましたが、底地-借地権の問題は、地主か借主のどちらかが売却したいと思ったときがチャンスです。
お互いに上記のような不安定な状態を解消することができるからです。
さらに価格も、他に売るよりは有利になることが多いでしょう。
金銭での売買の他にも、土地がそれなりに広ければ、たとえば土地を半分ずつにして、底地と借地権を等価交換して、それぞれを単独の所有権にするという方法もあります。
この場合には、税務上の交換特例なども使えますので、交換による譲渡所得税などもかからなくなります。
底地-借地権の問題は、どこかで是非、解決しておきたいものですね。
編集後記
当社では、4月より関連会社であるTMコンサルティング株式会社で、不動産コンサルの業務を始めました。
今日のテーマのような、借地権の問題なども含め、不動産に関してお悩みのことがあれば是非、ご相談ください。
当社および提携の不動産会社等にも協力いただいて、問題解決をしてまいります。
現在、HP作成中、できましたらまた、ご案内します。
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