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実践!相続税対策

空き家の3,000万円控除を使うには【実践!相続税対策】第511号

空き家の3,000万円控除を使うには【実践!相続税対策】第511号

2021.10.06

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

親が住んでいる家が、相続になった後は空き家になってしまう。

あるいは、親がひとりで住んでいたが、危ないので老人ホームに入ってもらい、既に空き家になっている、というケースは多いと思います。

このような場合、親の相続があった後に、その空き家をどうするか、ということになります。

遠方であったり、既に子は皆、家を持っていたりして、その空き家には誰も住む予定がない。

賃貸しようにも、古過ぎてリフォームに相当のお金がかかる、となると、もう売るしかないか、ということになるのではないでしょうか。

売却する場合の税金の特例として、空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除というものがあります。

空き家の土地建物の売却益から、3,000万円を控除できるという特例です。

数十年前に購入した土地、代々から受け継いできた土地などは、相当の売却益が出る可能性がありますから、この特例を使えると、税金的にはかなり助かるでしょう。

もし、上記のような状況が予想されるのであれば、相続後にこの特例を使うことを、あらかじめ想定して、準備をしておくことをお勧めします。

準備というか、この特例を使えるかどうか、確認をしておく、ということです。

確認のポイントは一点、その家屋が、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であるかどうか、です。(区分所有建物は対象外です)

他にも様々な要件がありますが、まずは、この要件を満たしていなければ、この特例の適用の余地はありません。

その上で、主として次のような要件があります。

1.親がひとりで住んでいた家であること
その後、老人ホームに入居した場合でも、要介護認定を受けていること、自宅を賃貸や他の用に供していないことなどを満たせば、適用があります。

2.相続後に、事業用、貸付用、居住用他、何の用にも供していないこと

3.譲渡するときは、耐震工事をして、現状の耐震基準に適合した上で、譲渡するか、または、家屋を全部取壊して、更地として譲渡すること

*取り壊して譲渡することが多いですね。

4.相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること

5.譲渡価額が、1億円以下であること 他

相続前の要件は、上記の家屋の建築年月日と、上記1の親がひとりで住んでいた家かどうか、ということです。

このような状況であれば、この特例の適用を頭に入れて相続後の準備をしておくことです。

なお、複数の相続人がこの土地建物を共有で相続することにより、3,000万円特別控除を複数人分使うことも可能です。

これらも加味して、どのように相続するかを考えておく必要があります。

ちょっと宣伝ですが、今週の土日、新宿住友ビルにてネクスト・アイズ株式会社さん主催の「空き家EXPO」があります。

その中で、私も『親の土地と家をどうする?空き家の相続と税金対策』 というタイトルでミニセミナーを行います。

その他にもいろいろなイベントがありますので、よろしければ是非、いらしてください。下記サイトをご覧ください。
⇒ https://www.nexteyes.co.jp/event/vacant-expo2021/

お待ちしております!

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

秋らしいいい天気になってきましたね。緊急事態宣言なども解除され、気持ちも晴れやかになってきた感じです。是非、週末は新宿にもお越しください!

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