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実践!相続税対策

地積規模の大きな宅地【実践!相続税対策】第530号

地積規模の大きな宅地【実践!相続税対策】第530号

2022.02.24

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

相続税評価において、地積規模の大きな宅地、すなわち通常の宅地よりも大きな宅地については、評価減をすることができます。

これは、広大地評価に代わって平成30年から導入された制度です。

広大地評価に関しては、その評価にあいまいなところがあり、かつ土地の専門家でなければ評価ができないような難しい評価でした。

そこで、より明解な地積規模の大きな宅地の評価が導入されています。

地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏では500m2以上、それ以外の地域では1,000m2以上の宅地をいいます。

地積規模の大きな宅地に該当した場合は、通常の評価をした後に、規模格差補正率を乗じて、評価を減額することができます。

この規模格差補正率が、ちょっとわかりづらい計算式になっています。

(A)×(B)+(C)
規模格差補正率=─────────────────× 0.8
地積規模の大きな宅地の地積(A)

そして、三大都市圏の場合、(B)(C)の数値は次の表のようになっています。

地積 普通商業・併用住宅
(B)
普通住宅地区
(C)
500m2以上 1,000m2未満 0.95 25
1,000m2以上 3,000m2未満 0.90 75
3,000m2以上 5,000m2未満 0.85 225
5,000m2以上 0.80 475

 

では、この地積規模の大きな宅地に該当すると、どのくらい減額されるのでしょうか?

500m2の場合、計算してみると

500m2×0.95+25
──────── × 0.8 = 0.8
500m2

分子の方を計算すると、ちょうど500になります。
分母も500ですから、分数は1、それに0.8掛けるので、0.8となります。

すなわち、500m2の場合で、80%評価になる、20%評価減されるということですね。

地積規模の大きな宅地に該当すると、最低でも80%評価になる、ということです。

その上も計算すると、
1,000m2で、78%評価
3,000m2で、74%評価
5,000m2で、71%評価

ということになります。

地積が大きくなればなるほど、評価が下がる、ということです。

上記の算式中、(B)は地積が大きくなるほど評価が下がっていくということで、わかりやすいかと思います。

+(C)というのが、わかりづらいですね。

これは、所得税などの累進税率を計算する際、速算表で控除額がありますが、それと同じようなものです。

計算する際の調整をしている数値ですので、あまり気にしなくていいです。

地積規模の大きな宅地であっても、該当しない場合があります。
次のような場合です。

・市街化調整区域に所在する宅地(一部例外あり)
・都市計画法の工業専用地域の宅地
・指定容積率が400%(東京都の特別区は300%)以上の宅地
・倍率地域に所在する大規模工場用地

最も注意するのは、容積率です。東京23区内は300%以上だと評価減がされません。

また、共有の土地やマンション1室を区分所有している場合でも、その土地全体で地積規模の大きな宅地であるかどうかを判定する、ことになります。

マンションの土地の評価などは、結構使えることが多いですね。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

23日は、まぐまぐが終日メンテナンスとのことで配信できませんでした。
改めて本日配信いたします。

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