実践!相続税対策
庭内神しとその敷地【実践!相続税対策】第581号
2023.02.15
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
相続税の申告をしているとたまに、庭内にお稲荷さんなどがあることがあります。
このお稲荷さんそのものや、その敷地は相続税上、どのように評価されるのでしょうか。
相続税には、非課税財産というものがあります。
その中に、墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物は、非課税財産となっております。
したがって、庭内にあるお稲荷さんや、不動尊、地蔵尊、道祖神、庚申塔などで、日常礼拝しているものは、非課税となります。
これらは、「庭内神し」と言われています。
ただし、それはその本体そのもののことであり、それらが置かれている敷地はどうなのか、という問題があります。
この取り扱いに関して、以前は、信仰の対象にしているのは親族に限られる、一般の人たちが自由に参拝できない、ということで、非課税にはなっておりませんでした。
ところが、2012年(平成24年)6月21日の東京地裁判決を契機に、次の要件を満たす場合は、その敷地も非課税となることになりました。
1.庭内神しの設備とその敷地、附属設備との位置関係や、その設備の敷地への定着性、その他それらの現況等といった外形があること
2.その設備及びその附属設備等の建立の経緯・目的を勘案すること
3.現在の礼拝の態様等も踏まえた上でのその設備及び附属設備等の機能の面から、その設備と社会通念上一体の物として、日常礼拝の対象とされているといってよい程度に、密接不可分の関係にある相当範囲の敷地や附属設備であること
ちょっと長い要件で、簡単には認めないよ、ということではありますが、庭の中にあるお稲荷さんなどは、基本的にその敷地も含め、非課税になるということです。
この部分が非課税になる、ということは、残された土地の評価にも影響を与えることになりますので、注意する必要がありますね。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
今日は15日ですから、いよいよ明日から確定申告の受付が始まりますね。
この数年、コロナ特例で3月15日でなくてもよい、ということでノンビリしていた方もいましたが、今年は延長なしですので、早目に取り掛かるようにしましょう。
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