実践!相続税対策
土地と建物の所有者が異なる場合【実践!相続税対策】第586号
2023.03.22
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
最近あった事例のなかで、土地と建物の所有者が異なる場合の土地の評価と、小規模宅地の特例をみていきます。
親の土地に子が家を建てていることはよくあります。
通常、親子間では、地代の支払いなどは行われていないかと思います。
タダで土地を借りている、これを使用貸借といいます。
第三者に土地を貸している場合など、タダではなく賃貸契約が結ばれている場合には、賃貸借といいます。
子が所有する建物がアパートであっても、土地が使用貸借である限り、土地の評価は自用地評価となります。
貸家建付地として、評価を下げることはできません。
では、この場合の小規模宅地の特例の適用はどうなるでしょうか。
これは、建物の所有者である子が親と生計一親族か、生計別親族であるかで異なります。
生計一親族であれば、貸付事業用宅地として、最大200m2まで50%評価減の適用が可能です。
(継続要件など、他の要件もあり)
生計別親族が建物を所有している場合は、この特例の適用はありません。
このように、小規模宅地の特例は、相続開始の前において、土地がどのような使われ方をしていたのか、
建物の所有者は誰なのか、土地はだれが相続するのか、など、さまざまな要件をクリアしないと、適用することができません。
土地と建物を同一人が所有している場合であっても、同じように要件を満たしているかどうか、判定をする必要があります。
小規模宅地の特例は、評価減の額が大きいですので、相続が起こった際に、適用を受けることができるようになっているか、事前に確認しておくことが大事です。
《担当:税理士 宮田 雅世》
編集後記
東京の桜も見ごろを迎えそうです。
今週末あたり、近くの公園までお花見に行こうと思いましたが、お天気下り坂ですね。
桜の時期は雨が多く、今年もタイミングが合わないまま、お花見できずに終わりそうです。
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