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実践!相続税対策

負担付遺贈をした場合の課税関係【実践!相続税対策】第589号

負担付遺贈をした場合の課税関係【実践!相続税対策】第589号

2023.04.12

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

遺言により財産を渡すことを遺贈と言いますが、財産を渡すだけでなく、同時に債務を負担させる場合もあります。

たとえば、賃貸不動産を遺贈するが、それを購入した際の借入金も負担させる、というようなものです。

この場合、遺贈する相手が相続人であれば、賃貸不動産はプラスの財産として評価し、借入金は債務として控除して、相続税を計算することになります。

ただ、遺贈のする相手が相続人でない場合、たとえば共同で購入した相続人ではない弟に遺贈するような場合は、債務控除をすることができません。

このような場合、弟さんの相続税における賃貸不動産の評価額は、その不動産の相続税評価額から、負担する借入金の額を差し引いた金額になります。

弟さんが実質的に取得する財産は、負担分を控除した額となるからです。

相続人が相続した場合は、相続税だけで終わりますが、相続人でない場合は、これだけでは課税関係は終わりません。

弟さんが相続するのは、借入金を控除した残額の評価としての不動産です。

その控除された借入金は、債務控除として引かれているのではなく、相続があったときに、不動産とともに弟さんに移ったわけです。

税務上は、その不動産とともに借入金が移ったことを譲渡とみなして、譲渡所得税が課されることになります。

すなわち、移った借入金の額で、不動産を譲渡したものとして譲渡所得の計算をすることになります。

もちろん、被相続人は亡くなっていますので、準確定申告を相続人が行う必要があります。

非常に難しい考え方で、うまく説明できていないかも知れませんが、相続人以外に負担付遺贈をする際は、気を付けておかなければいけないですね。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

今日のメルマガは非常にわかりづらい説明になってしまいましたね。実例で説明した方がわかりやすいのかも知れません。該当するようなことがあれば、是非、ご相談いただければと思います。

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