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実践!相続税対策

相続税の障害者控除【実践!相続税対策】第595号

相続税の障害者控除【実践!相続税対策】第595号

2023.05.24

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

所得税に障害者控除というものがありますが、実は相続税にも障害者控除があります。

これが意外と相続税の計算にインパクトがあります。

障害者控除は、相続税から次の金額を控除することができます。

一般障害者(85歳-相続開始日の障害者の年齢)×10万円
特別障害者(85歳-相続開始日の障害者の年齢)×20万円

たとえば、相続開始日に35歳だった一般障害者の場合は、
(85歳-35歳)×10万円=500万円

特別障害者であれば、1,000万円ということになります。

これが相続税額から控除されますので、かなり大きな控除になります。

さらに、障害者である相続人の相続税から引き切れなかった場合は、その残額を、扶養義務者である相続人の相続税から控除することができます。

扶養義務者とは、配偶者、直系血族、兄弟姉妹、または三親等内の親族で家庭裁判所がと扶養義務者と定めた人、その他生計を一にする三親等内の親族をいいます。

親が亡くなって、子が相続する場合で、その中に障害者がいる場合は、他の兄弟の相続税から引き切れない額を控除することができる、ということです。

上記の例で、一般障害者の方の相続税が、300万円だとすると、障害者控除が500万円の場合は、200万円が引き切れませんので、この200万円を兄弟の相続税から控除することができる、ということです。

ただし、この障害者控除を受けるためには、次の要件があります。

1.法定相続人であること
2.相続または遺贈により財産を取得したこと
3.財産を取得する人が障害者であること
4.相続開始日に日本国内に住所があること

特に注意しなければいけないのは、2です。

障害者であるため、財産の管理ができないから、他の相続人が財産を相続して、障害者の面倒をみようということで、障害者が財産を相続しなかった場合は、障害者控除を受けることができなくなりますので、要注意です。

なお、相続人が要介護認定を受けている場合で、市区町村から「障害者控除対象者認定書」の発行がされれば、障害者控除を受けることも可能ですので、そのような場合はトライしてみても良いかと思います。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

昨日はとても寒かったですね。今日はまた戻りそうですが寒暖の変化で体調崩さないように、ご注意ください。

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