実践!相続税対策
親子間賃貸の貸家建付地評価と小規模宅地の特例【実践!相続税対策】第606号
2023.08.09
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
親子間の不動産賃貸について、相続があった場合の評価と小規模宅地の特例適用について、事例をご紹介します。
親が所有する土地付き建物に、子が居住することはよくあります。
また、親子間のため、タダ、もしくは固定資産税程度の支払いで住まわせることも、当然のようにあります。
この場合、賃貸借契約ではなく、使用貸借契約となり、土地は自用地評価、建物も通常の建物評価となります。
ただ、中には、1棟の賃貸マンションの1室を、他の入居者と同様に、同じくらいの賃貸料で子に貸し付けている場合もあります。
アパートでも同じように、賃貸借契約により通常の賃料で子に貸し付けている場合は、土地の評価は貸家建付地評価、建物は貸家評価となります。
小規模宅地の特例については、貸付事業用宅地の場合、被相続人の貸付事業を相続した親族が、次の要件をすべて満たすことにより、評価額が50%減額となります。
・貸付事業を申告期限までに引き継ぎ、継続して行っていること
・その宅地を申告期限まで所有していること
居住していた子が相続した場合、自身に貸し付けるということはないので、上記の貸付事業の継続要件に該当せず、小規模宅地の特例は適用できません。
このように、親子間の不動産賃貸においては、使用貸借か、賃貸借かで評価額が異なります。
また、小規模宅地の特例については、取得者や相続後の継続要件などで適用の可否が変わりますので、ご注意いただければと思います。
《担当:税理士 宮田 雅世》
編集後記
最近、エアコンから水漏れが発生し、深夜に拭き掃除をする羽目になりました。
これも異常な暑さが原因なのでしょうか。
しばらくエアコンの下にバケツを置いて、今年の夏は乗り切ろうと思います!
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