実践!相続税対策
取壊しを買主が行う場合の空き家特例【実践!相続税対策】第607号
2023.08.16
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
亡くなった親が1人で住んでいた(あるいは老人ホームに入って空き家になっていた)土地建物を、相続後譲渡した場合には、3,000万円特別控除を使える可能性があります。
ただし、条件の1つに譲渡前に売主がその家屋を耐震リフォームするか、取り壊すかをしなければなりませんでした。
現況の空き家のまま、業者に売却した場合などは、この空き家の3,000万円控除を使うことができません。
古い建物を、わざわざ耐震リフォームしてから売却するということは、まずありません。
となると、この特例を使うためには、取壊してから売却するしかありません。
すぐに売りたいし、現況のままで買ってくれる、という業者がいる場合は、3,000万円控除を諦めて売却するか、迷うところです。
と言うか、空き家の3,000万円控除があるのを知らずに、現況のまま売ってしまう方もいますね...。
この問題が、2023年度の税制改正で改正されました。
すなわち、空き家を売却した後、買主が耐震リフォームや取壊しを行う場合も、空き家の3,000万円控除を認める、ということです。
ただし、買主はその譲渡があった翌年の2月15日までにそれを行わなければいけません。売主の確定申告に間に合うように行う、ということですね。
これによって、空き家の3,000万円控除が非常に使いやすくなりましたが、ではすぐに、というわけにはいきません。
この改正が適用されるのは、来年2024年1月1日以後に行われる譲渡から、だからです。
今年に行う譲渡は、まだ、売主の方で取壊しなどを行う必要がありますので、注意してください。
税法の改正というのは、いつ何をしたところから変わるのか、ということに気を付けなければいけませんね。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
台風は日本海に抜けたというのに、まだ影響がありますね。
東京の方でも、はっきりしない天気が続いていますが、
気温が若干低いのは助かります。
メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0001306693.html