実践!相続税対策
相続税対策=贈与というのも考えもの【実践!相続税対策】第611号
2023.09.14
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
先日、相談があったのは80歳をちょっと超えた女性の方です。(下記内容は実際とは少し変えています)
ご主人は数年前に亡くなったそうですが、子2人が相続人になります。
自分で貯めてきたお金と、ご主人からの相続もあるかと思いますが、それなりの現預金と自宅不動産、マンションの区分所有1室(賃貸)、その他の財産があります。
子はそれぞれ独立してマイホームを持っており、実家には将来的にも住まないようです。
そのため、それなりの相続税になることが見込まれます。
子どもたちからは、相続税が大変だし、来年から贈与税も変わるようだから、今年から、生前贈与などをして欲しい、というような要望も受けているようです。
確かにそれなりに現金はありますが、これは数年後、老人ホームに入りたいので、そのために使いたいと思っている、とのことでした。
とても気の優しい方で、子どもたちにそう言われると、やはり贈与しないといけないのかと、悩んでいました。
贈与するとしても、現金ということになるのでしょうから、それをやってしまうと老人ホームに入居するお金、その後の生活費や施設費用などに充てるお金がなくなってしまいます。
それでは本末転倒ですね。
相続税対策よりも、まず、自分の生活、楽しみを大事にることの方が重要です。
相続税などは、どうせ実家に住まないのであれば、それを売れば問題なく払えます。
相続税の額だけに注目して、大事なことを忘れている人が多いように思います。
特に子ども世代は…まずは、親が安心して、快適な老後生活をできることを第一優先に考えてあげる必要がありますね。
あくまでも親の財産なのですから。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
朝晩、少しずつ涼しくなってきていますね。先週も夏風邪のことを書きましたが、夜クーラーを付けっぱなしで寝ているのが原因のような気がします。朝喉がカラカラでしたので。ようやく最近は、少し窓を開けて寝ることで、クーラーは付けずに済んでいます。
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